エピローグ 三
そのことに気づいた私は、何とかして「元の世界」に戻ろうとしたけど、そんな方法、思いつく訳ないよね。それで私は仕方なく、そのまま「過去」の世界で、過ごすことにした。まあ最悪、そのまま過ごしていたら半年が過ぎて、「元の世界」に戻ったことになるんじゃないか、って思ったんだ。
そういえば私、この後テニスサークルに入るんだった、ってことを、私はそのすぐ後に思い出した。だって、そこで翔真と初めて逢うってこと、私はっきり覚えてたんだもん。
それで、私はそれを楽しみにして、サークルに向かった。何か自分で勝手に振っておいて、都合いい話だよね。でも私、翔真から、「好きです!」
って「2度目」の告白をされるの、本当に楽しみにしてたんだ。
でも、その時の翔真、何かおかしいな…、って思ったんだ。何か「1回目」の時と比べて、よそよそしいなあ、って…。
まあそれでもそのことは気にせずに私はテニスをしてたんだけど、サークルが終わって、この後翔真が告白してくるはずなのに、翔真は私の所にやって来なかった。
『あれ、過去が、変わった…?』
そこで私は、あることに思い至った。
『何か今日の翔真の様子、ちょっとおかしかったな…。
…もしかして、本当にもしかしてだけど、翔真も、タイムスリップしてるのかな?』
…それで私に告白するのを止めて、私たちの恋をなかったことにして終わらせて、私たちが傷つかないようにしてるんじゃないかって、私思ったんだ。でももちろん、そんなの確信持てないよね?だからとりあえず、達紀くんにその後連絡して、私たちが2回目にデートしたその場所に、翔真を呼び出すことにした。




