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それは、言ってはいけない言葉 三

 「大丈夫!私はファッションは好きな方だけど、恋愛経験はそんなにない方で、男の人とデートに行くこともあんまりなかったから、私も緊張してるよ!

 だから翔真、自分に自信持って!私たち、おんなじなんだから。」

 亜紀はそう言って、僕を励ましてくれた。そこで、「亜紀は僕の告白を受け入れてくれた。僕たちは付き合っている。」という事実を、僕は頭の中で再確認する。

 「分かった。じゃあ、行こっか!」

「うん!」 

 そして僕たちは待ち合わせ場所から、目的地の映画館へと足を運ぶ。

 その短い道中、

 「でも亜紀、亜紀ってモテそうな気がするけど…。

 本当に、緊張してるの?」

実際亜紀は美人だし、それに話し方も緊張しているようには見えない。

 「…私そんなに、モテないよ。

 何か、ナンパとかはされたこと何度かあるけど、私そういう軽いの苦手だから…。

 本当に、真剣に恋愛したこと、翔真が初めて…かな?

 あと、私緊張するとよくしゃべっちゃうタイプだから…。」

亜紀の言葉に僕はちょっと嬉しくなり、ニヤけそうになったが何とか平静を保つ。

「そっか…僕も、真剣に恋愛するの、亜紀が初めて…かな?」

亜紀と同じ台詞を言うと、色白の亜紀の顔が、少し赤くなった。

 そして、亜紀の緊張が、少し僕の方にも伝わった。

 …亜紀には少し悪いが、それで僕も、ちょっとだけ安心した。

  

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