表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/68

ダブルデート 十

 「森川さん、今日、楽しかったですか…?」

次の行き先に向かうレンタカーの車中、僕はそんなことをつい口走る。

「え、あ、はい、もちろん楽しかったですよ!」

森川さんはそんな僕に驚きながらも、そう言う。

 『嘘だ…。森川さん、今日の僕を見て、がっかりしたに違いない…。』

僕はそんなことまで思ってしまうほど、落ち込んでいた。

『今日の僕、森川さんにアピールするどころか、逆にマイナスな所ばっかり見られてるような気がする…。

 これじゃあ、森川さんと付き合うなんて、夢のまた夢だ…。』

その時僕は、そんな風に思った。

 そして次の行き先の駐車場に着き、僕が車を停めた時、森川さんが口を開く。

 「豆田さん…?」

「は、はい!」

「訊かないんですか…?」

「え、何を?」

僕は森川さんが何を言っているのか分からず、そう訊き返す。

「…前に言ってくれたことの、私の答えです。」

「こ、答え。ってことは…。」

そこで森川さんが何を言っているか僕は分かり、ハッとする。

 そこから僕は、饒舌になる。

 「あ、前の告白の答えですね。

 いいんです森川さん!僕なんか、森川さんの眼中にないですよね。そうそう、森川さんには、達紀、時川達紀みたいなおしゃれで頼りがいのある人の方が、彼氏にふさわしいと思います!ま、まあ、達紀には彼女がいますけど。まあ、とにかく、僕の告白なんか忘れて、幸せになって…、」

「いいですよ!」

そんな、何をしゃべっているのかさえ分からなくなった僕を、森川さんが大きな声で制止する。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ