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ダブルデート 三
僕が待ち合わせ場所に着くと、貴子さんを乗せた達紀の車がもうそこには停まっていた。
「おせーぞ翔真!」
「ごめんごめん。」
そういう達紀であったが、そこには悪意は見られない。本当に達紀は、いい奴だ。
「久しぶり、翔真くん!」
「久しぶり、貴子さん!」
そして、僕は貴子さんとも挨拶をする。
貴子さんと達紀は、2人とも背が高く、また髪の毛をダークブラウンに染めている。2人が並んでいると、まるでファッションモデルが並んでいるようで、場の雰囲気が華やぐように感じられる。
「あっ、お待たせしました!」
そうこうしているうちに、森川さんがやって来た。
今日の森川さんは、秋らしく茶色のジャケットを着ていた。その姿が、テニスウェア姿しか見ていない僕にとって、まぶしく感じられた。
「豆田さん、時川さん、そして…?」
「あっ、私は貴子!よろしくね!」
「よろしくお願いします!」
僕たちは、初対面の貴子さんと森川さんを含め、挨拶をする。
「じゃ、行こっか!」
達紀の爽やかな一言で、僕たちはそれぞれ車に乗った。




