一四五 広場戦
「総司令官、統括指揮官、無事、増援部隊到着しました」
後ろからワーヴァが近づき、エレーシー達に報告した。
「分かったわ、ありがとう。……さて、揃ったわね。どうしましょうか、第一歩目は」
ティナの言葉から、エレーシーは遠回しに攻撃開始を指示されたと感じた。
「私達が一番得意な方法でやろうとは思うけど……」
「ここはこういう風にしましょう」
ティナはアビアンとエルルーアを秘かに呼び、この状況を打開すべく作戦を打ち立てた。
「よし、弓矢部隊、一斉射撃!」
アビアンはまず、敵が隠れているとされている建物や塀の陰を目掛けて一斉に弓矢を浴びせかけさせた。
「うわっ!」
「ぎゃっ!」
やはり天政府軍が隠れていたようで、壁の向こうから敵の悲鳴が聞こえた。
「止め! 止め! 護衛体制に移って!」
ある程度敵に被害を与えられた事を確認しつつ、ひとしきり撃ったところで、アビアンは攻撃を止めさせた。
「突撃部隊! 主力攻撃部隊! 走れ! 走れ!」
弓矢部隊が射撃を終えると、間髪をいれず、エルルーアは兵士達を広場へと向かわせた。
「進め! 市役所まで! 途中の天政府軍は捕らえよ!」
とにかく前進あるのみといった勢いで、もはや天政府軍の出る幕もなく、広場をあっという間にミュレス大国軍が占領した。
「さあ! どこからでも来い! 来ないならこっちから行くぞ!」
エレーシーは改めて見回したが、天政府軍の姿はどこにもなかった。
隠れていたのは確かなのだから、市役所の方に向かったのか、どこに行ってしまったのかは全く分からなかった。
「突撃部隊、そのまま市役所へ。弓矢部隊も護衛を。その他の部隊は辺りに天政府軍が隠れていないか確認して、その後市役所で落ち合う事!
「はい!」
エレーシーは短時間で各部隊に指示を与えると、突撃部隊の後ろを走っていった。
ミュレス大国軍は、広場を占領した勢いそのままに街道を市役所の方に進んでいった。
市役所までの道のりの間にも、天政府軍の姿は見えたが、大きな街道を道いっぱいになって近づくミュレス大国軍の圧力には個々の力は全く無力と言えた。
そして、突撃部隊が走ること約5分、ついに重厚なフィルウィート市役所の手前までたどり着くことができた。




