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一一七 「久しぶりの再会」ということで

「エレーシー!」

 エレーシーがエルルーア達と机の上を片付けていると、後ろからアビアンが元気よく声を掛けた。

「びっくりした……急にどうしたの?」

「せっかく東西両軍が統合したことだし、今日はどこかで飲むってのはどう?」

「アビアンは軍の幹部になっても好きだねえ。まあ、アビアンの言う通り、今日はこれから大国としての第一歩なわけだし……ティナ、フェルファトア!」

 エレーシーはアビアンの提案にすぐに乗っかると、他の幹部達に話をつけようとした。

「エレーシー、どうしたの?」

「これはアビアンの提案なんだけど、せっかく両軍統一したわけだし、ここで一回、酒場に飲みに行かない?」

「酒場かあ……でも、あまり一か所に集まるのも……それに、いつ天政府軍が攻め込んでくるかもわからないし……」

 フェルファトアはこれまでの西軍の経験からか、難色を示した。

「それもそうね。流石に酒が入ってる状態で軍の指揮は無理ね」

「えー」

 ティナもフェルファトアの意見に賛同し、アビアンは無意識に不満の意を表した。

「……とはいえ、西軍も東軍もこれまでずっと緊張感を保ち続けてきたわけだし、少しの間だけでも気を抜くこともいるのかしらね……」

 ティナはアビアンの顔をちらっと横目で見ながらつぶやいた。

「じゃあ、まず第一に酒は飲まない。後、伝令役の兵士を市役所に置いて、近場で飲む。これならどうかしら」

 ティナはアビアンにいろいろと条件を付けて提案し、様子をうかがった。

「飲めないのは残念だけど、こういう時期だし、仕方がないかな。それでも良いよ!」

「そう、良かった。それなら皆で集まってもいいわよね。皆はどうかしら」

 ティナが辺りを見回してみても、この意見に反対する者はいなかった。

「じゃあ、決まりね。フェルファトア、ちょっと大人数にはなるけれど、いい店はあるかしら?」

「それなら、良いお店を知ってるわ。西軍のちょっとした集まりで地下会議室的に使っていたお店が」

「本当? それならちょうど良さそうね。ぜひ、そこにしましょう」

「やったね! じゃあ、いつから始める?」

 ティナの言葉にアビアンは飛び上がるほどに喜び、宴をいつかと待っているようだった。

「まあ、そんなに焦らないで。一旦解散して、一息つきましょう。そうね……次の鐘が鳴る頃にまた、この部屋に集まりましょう。皆集まったら、フェルファトアが案内してくれると思うから」

「分かったわ。お店の方にも言っておくわ」

「ありがとう。それじゃあ、そのように。では、一旦解散!」

 ティナの号令で、全員、各々の家や宿屋で身支度を整えることにした。

 それぞれ、両軍統合という一大「行事」をひとまずは果たすことができたことに胸をなでおろしつつ、次の作戦までの僅かなひとときを楽しむのであった。

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