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#4 月光草

 焚き火って見てるだけで何だか心が落ち着くよね。

 パチッバキって音立てて爆ぜる木片の音も心地よくて好き。

 それでも焚き火を焚べるのも囲むのもわたし一人だけって状況はすんごく寂しく悲しくなる。


 周り真っ暗。

 あっという間に夜になった。

 ホントびっくりだよ!

 延々と歩き続けたにも関わらず出られないってマジでどゆこと?


 ≪AAO≫の仕様が生きているのか激しく動き回らない限りは疲れる気配を一切見せないニナちゃんボディで黙々と進み続けたけど脱出は叶わなかった。


 チュトの森そんなに広くないはずなんだけどな~。

 たぶんも何も絶対ここチュト森じゃないよね?

 ぶっちゃけもう確定でいいと思う。

 チュト森なら普段湧かないような魔物ばっかり湧くんだもん。


 特にメタルスネークは冷や汗かいたよ。


 こいつは金属光沢放ちまくる見た目に反して素早しっこい。体の全てが金属で出来ているわけじゃないからね。意外と身軽。


 鱗一枚一枚が超軽量謎金属で出来てるらしく硬さと素早さを両立してるから非常に厄介な相手なんだよ?


 魔剣の斬撃は躱されるし当ててもそもそもノーダメージ。

 ほんとチートや!チート!って叫びたくなるレベル。


 でも所詮は生身の蛇だからね。

 何度か火魔法で炙りまくってたら呆気なく死んだ。

 そして蛇肉は微妙な味だった。


 なんだろうね……蛋白な味?

 なんかプニョプニョした食感の魚食べてる感じ?

 それにしては地味に噛み千切れないし不思議な歯応えだったよ。


 ……今ので判ったと思うけど、わたしに食レポの才能は無いようだ。ショボーン。


 まぁそんな感じでズンガズンガ道なき道を進んだのはいいけど夜が来ちゃって辺り一面闇世界。


 3つの月明かりで薄っすら見渡せなくもないけど不意突かれる可能性高いから休憩がてら一時停止中なのだよ。痛いのは嫌だからね。安牌だろうと何だろうとわたしは取るよ?


 とりあえず今日の現時点での戦利品並べてみた。



 ・草装備(服上下,靴)

 ・草バッグ

 ・簡易魔剣(罅だらけ)

 ・魔晶石×8

 ・【月光草】×?(すぐ側に生えてる草全部)

 ・メタルスネークの鱗×50?(多すぎてカウント放棄)

 ・ウサギ肉(現在進行形で焚き火に炙られてるやつ)



 全長3m強もある大蜥蜴(コモドリザード)とか状態異常振り撒きまくる巨大歩行茸ビッグ・ウォーク・マッシュとか……とにかくやばい奴は基本スルーというか即撤退で倒せそうな奴だけ斃した感じ。


 ヘビはピット器官とかで熱源見れるのか、隠れても位置もろバレだったし逃げてもしつこく付きまとうから戦闘自体避けられなかった。


 そんなわけで所持品のバリエーションは意外と少ないんだよね~。種類とかは別にどうでもいいんだけど問題は魔剣の状態。


 メタルスネーク戦で叩いたり叩き付けられたりして既に至るところ罅だらけ。たぶんわたしの力でもテコの原理使えばポッキリ折れると思うの。


 もし折れてしまったらこれから先はゼロ距離で戦わなければならなくなる。


 蛇のときは止むを得ず使ったけど補正スキル無いと魔法はMPの消費が激しいからね。連戦には向かない。


 比較的燃費のいい魔刃でもリーチ短かったり伸長すると維持コスト馬鹿にならないしで武器を失うデメリットはかなり大きい。


 できれば魔剣の修繕がしたい。


 〈錬金術〉スキルが使えればメタルスネークの鱗をペタペタ貼り付けられるんだけどね。


 ニナちゃんがレベル5になっていれば使えるはず。


 〈錬金術〉スキルは魔力を浸透させて物質の状態・性質・形状に干渉するスキル。使い熟せれば特定の物質の抽出とか合成とかも可能になる。こんな感じで――――うん、普通に出来たね。


 このままだと継ぎ接ぎ部分が脆くてすぐ壊れるから一回インゴット化して再形成した方が良さそうだね。


 修繕した時点で大分MP持ってかれたけど何と驚くことなかれ!

 回復手段を見つけたのだよ!

 その名も【月光草】!

 この淡く光る草、月の魔力を吸収して育つらしいよ。

 つまり食べればMP回復できる。

 ただ見た目が完全にほうれん草。

 通称、光るホウレンソウ。

 だけど味はスッキリ爽快ミントガム味。

 ……食感がガムなんだよね。


 正に見た目に騙されると酷い目に遇う典型的な例って言ってもいいかもしれない。


 【月光草】はマナポーションの原材料。

 それをわたしはムシャムシャ食べる。

 すっごい口の中爽やか――を通り越してツーンとして痛いッ!

 それでもわたしは我慢して食べるよっ!

 新たな武器を造るために!

 その先に待つ数多の草装備の数々を夢見て!

 ガムの束、ひたすら口に放り込むよ!!


 ……やっばい少し吐きそううぇ――――――









 ―――――そうして出来上がった剣がこちらになります。


 なんと言ってもこの艶が堪らないね~。

 鏡面反射で自分の顔がくっきり見える。

 金髪碧眼ニーナちゃんと瓜二つの顔。


 それほどまでに滑らかな刃は非常に鋭く、いとも容易く草が斬れる!


 そう――――草が斬れる!


 大事なことだから二回言ってみたよ。


 草装備を作る上で草が必要なのは当たり前。

 だけど今まで草の調達には魔刃使ってきた。


 MP燃費の比較的マシな魔刃でもそれなりにMP食うから魔物との遭遇に備えてMP節約してる身としてはあまり連発できない。そうなると草装備作れない。


 でもMP消費を伴わない物理的な刃物ならその制約は見事なくなる。


 そして錬金術スキルが加われば着心地マシな草装備が作れるようになる。


 ついでに言うと着替えの予備まで作れるようになるよ。

 やったね!


 女の子にとって着替えと質感は超重要だよ!!!

 むしりよくこんな状況で平然いられるわたしがおかしい。

 言ってて何か虚しくなる。

 いわゆる自爆ってやつかな。

 うん。忘れよう。そうしよう。

 ナニモナカッタ。

 いいね?




 まあ……あれだよ。

 とにかく草装備たくさん作れるってことだよ!

 そうと判れば早速作業に取り掛かるよ!

 どうせ夜が明けるまで暇なんだしね!




 こうしてわたしの草装備制作劇が幕を開けた――――――




お読みいただきありがとうございます!

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