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#3 簡易魔剣

 やっばいです。

 今、超絶迷子に陥っているのであります!

 よく分からない口調なのはデフォであります!

 もちろん嘘ダヨ。


 何がどうなったか?

 ざっくり説明すると川探してたら道に迷ったのだよ~。


 さすがに血まみれのままっていうのは肌がジリジリするというか何というか不快感半端ないから水浴びしたいんだけどさ。


 ただいま絶賛迷子中なのだよ~。


 迷子ってなんかお茶目で可愛い感じしない?

 え、意味不明?

 そですかそですか。

 わたし的にはいいと思うんだけどなー。

 


 閑話休題?


 この森、チュトの森って言うんだよね。


 名前の感じからして察しがいい人ならわかると思うけどチュートリアルマップのはずなんだよねここ。


 チュートリアルと言う割には薬草類かなり豊富に茂ってるから序盤から中盤の中頃にかけて大分お世話になったから結構練り歩いていたりする。


 どこに居ても大体の居場所が分かるレベルで地形が脳裏に焼き付いてるはずだった。


 ……なのに迷子になってしまってどゆこと?って状態。まじ困惑。


 切り株を見つけた時点で違和感抱いてました的な今更感ありすぎる言い訳してみるけど、もしかしなくともこの森は私の知ってるチュトの森じゃないかもしれない。


 さっさと被った狼血を洗い流したいけどそう簡単には行かないみたい。


 川のせせらぎも聞こえないし見当違いの方向に向かっちゃった可能性が高いっぽい。


 代わりに鳥のさえずりと呻き声が……呻き声?


 ―――誰か人がいるかもと思って向かった先にいたのはゴブリンでした。テンプレ期待して損したよ。ガックシ。


 でも冷静に考えてみれば今の私の格好は怪しいを通り越して危ない人である。


 血まみれ草服少女とか猟奇的だよね。

 誰とも遭遇しなくて反って良かったかもしれない。


 で、目の前に現れたのは剣持ゴブリン。下卑た醜悪な笑みが私の体を無闇矢鱈に触ってきやがった変態教師の顔そっくりだ。それだけでわたしは無性に殺気立った。


 ってあれ?

 チュト森に剣持ゴブっていたっけ?

 まいっか。とにかく運がいいよ!

 あの剣奪えば相当戦力強化が見込めるからね。


 今持ってる小ぶりの魔晶石4つ使えばあの剣ぐらいならなんとか魔剣化出来そうだよ!


 まぁ……魔剣と言っても大した効果はないよ?


 ≪AAO≫では魔力伝導率が60%を超える剣を魔剣と呼ぶ。


 ≪AAO≫における魔力伝導っていうのは武器に魔力…MPを纏わせるのではなくて浸透させるって意味ね。伝導率0%だと特定のジョブを除いて基本的に魔力を浸透させるのはほぼ不可能。


 あと浸透させると武器の耐久性が上がったり切れ味上がったりする。


 そして魔剣化することで初めて剣に魔法とかスキルなどの特殊効果を付与できるようになる。剣以外の武器も同様。


 森の中を武装なしで歩くのは正直自殺行為。

 チュートリアルでも初期武器の支給があるぐらいだからね。

 武器なしってのはまずいっしょ。

 魔物に甘く見られる原因にもなりかねないし。

 いちいち戦闘なんてやってたらスタミナが持たない。

 形式的に持っているだけでも意外と威嚇効果が期待できるよ。たぶん。


 まぁそういうわけでね、ゴブには悪いけどけ死んでもらうぜ。ふっふっふ――――――


 「GHIGYAAAA!?!?!?」







 ――――で、これが例の鉄剣だよ。どや~。

 ニナちゃんの背丈よりも少し短い両刃直剣。

 ……これちょっと刃毀れやばいね。

 ノコギリが刃毀れした感じに刃先が浅めにジグザグしてる。

 けど使おうと思えば辛うじて使えなくはないレベル。

 叩き斬る……無理だわ。

 鈍器として運用するか~。

 さてはてこれをどうすれば魔剣化できるかと言うと、


 1.魔晶石に魔力を込める

 2.剣の柄から刃の面、刃先にかけて魔晶石を擦り付けて筋を刻む

 3.剣に魔力を通して筋が魔晶石と同色に発光したら完成!


 以上!

 ね?簡単でしょ?

 魔力通すのも例のごとく≪AAO≫の雑システムで魔力流したらこんな感覚するんだろうなぁ~ってイメージすると大体うまくいくよ。


 本当はできれば剣内部に魔晶石埋め込めれば伝導率もっと上がるけど、きちんとした機材ないから今やると時間がとにかくかかってやばい。ということで後回し。


 狼ファミリー(魔晶石4つ)と今しがた殺ったゴブ(魔晶石1つ)の計5つ。全部使って漸く魔剣化に成功したよ。


 専用の媒体が無いから魔晶石の付きがあまりよくない。擦った端からボロボロ削れ落ちていくから失敗するかもと思ってちょっと焦ったね。


 さっそくだけど素振りしてみた。


 ――――ブンッ!ブンッ!


 思ったよりも軽いね。

 これなら非力な初期ステなニナちゃんでも簡単に扱えるね。

 草刈りにも使えるから進行速度の上昇も見込めるたりもする。

 正に一石二鳥!


 ――――なんて思っていた頃がありました。



 ……草、斬れなかった。

 え、まじですか。

 強化した意味ほとんどないわー。


 魔剣化したと言っても大気中の魔力自動吸収機能なんてつけてないから強度強化したいなら相応のMP込めないといけない。


 低レベル帯で戦闘毎にMP注いでたらすぐ尽きるよ?


 そもそも込められるMP量は武器と魔剣化に使用した魔晶石の品質に依存するきらいがある。


 やっつけ作業で造った簡易魔剣(品質:劣悪)だとMP消費に見合った効果が得られるとは到底思えないんだよね。


 なんだったんだ私わたしの努力………。

 何もなかったことにしよう。うん。そうしよう。


 そだ、ちなみにだけどさっき作ったゴブの死体は真っ先に焼却したよ?


 すっごい臭かったし。

 すえた臭いに獣の臭いが混じって発酵した感じ?な臭い。

 鼻が反射的に(りき)むレベルの悪臭だったからね。


 ≪AAO≫でも類を見ないやばさだったから即滅却的な反射速度で火魔法でファイヤーしちゃったよ。


 というか魔石回収のためでもある。

 汚臭云々以前に生き物の体内弄るとか無理ッ!


 今思うと≪AAO≫のゴブどもは皆無駄に綺麗好きだったんだな~って地味に感心してみたりする。


 顔も戦士そのものだったし気迫ってやつがあったし。

 ま、今の状況ではぶっちゃどうでもいい話だけど。


 ともあれ武器が手に入ったのは行幸だけど迷子な状況には変わりない。


 ボーイスカウトとか宵越しキャンプとか現実世界で碌にやったことないからこういうときの対処方法なんて知らないよ。


 まぁ同じ方向進んでいけばそのうちこの謎森も抜けられるっしょ。


 …………出られるよね?


お読み下さりありがとうございます。


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