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あい溜まり

作者: 蒼屋表

つらつらと思考した。ふらふらと手を振った。

あの一言に激しいあなたの本気を感じました。信じられないからこそ嬉しいの。

思考の時間はきっと刹那。今まで知らずに蓋をしていたであろう愛しさが叫ぶように吹き出した。果てない迎合の厭らしさを理解していても、行動はそれと決められていた。触れる度に知る自分の厭らしさにくゆるあなたが滲んでいく。

心を撫ぜる、小鈴がさやかに。

留まらないとどまれない、その背を追い掛けるつもりが待たせてばかりだ。其れで良いのだこちらに合わせる道理はないと、愛しくあなたが悪のように笑んだようだ。

治らぬ心の擦り合わせ。重ねた擦り傷はいつしか切り傷になりうる。誰の本意でもないけれど、自傷は時が起こしたものなのだ。望まない心血が作用した、逃れられない環境での犯罪は最早事故であった。一寸も違わず事故であった。そこから運良く逃がすことができそうだった私の罪とは、罪とは、この世で一番重いのだ。

思考の時間は刹那であった。隠すことの赦されない虚しさを、愛しさが生み出したああ私の罪を。

あなたを犯罪者と呼ばないで大罪の枷をわたしに嵌め一生、一生繋いでいて。誰にともなく凪いだ手が揺らぐ。どんな汚ならしいものでもいい、ああだって、どうしても、替えられないほどあなたが好きなの。いざその身に焦げた心を捧げましょう。わたしがわたしで在れたことを刻み付ける。唯一の正をここで結び絡めよう。

くらくらとあなたに恋をした。ぐらぐらと病熱がわたしを蝕んだ。

お願い。

貴方の罪を私にゆるして下さい。

貴方の罪でさえも全て私に下さい。

過去に貴方が白んでいく



ふと認めてしまえばもう戻れなかった。気付いてしまった感情はとどめてはおけなかった。

ぐらぐらに沸かされたような思考のまんま、余さずあなたに伝えた。とろとろに溶けたような手はいつまでも分かてずにあなたと過ごした。

ああ努力して努力して努力して。考えて考えて考えて。幾ら取り組んだって必要値に足ることはなかった。いつだって手を抜けない。そうする選択肢を選ぶことができない。歩こうとした道さえ満足に進めない。足元しか見ることができないのに自分がどのくらい進んでいるのかを判断することなどできるわけがなかった。努力しないという選択などできるわけがなかった。

触れる度に触れてはいけないものとあなたの美しさを感じとる無粋な脳を恨みに恨む。だがあなたを愛しいと思うことができる脳はこの世で一番に有能だろうと誰にでもなく世界を細める。何もできることがないくせに、一番に、有能だろうと。矛盾を手の上で練りおちかけては半醒を繰り返す。傾向できない自分にできることは何もなくて、何もなくて、だからせめてぼくが重りとならないようにここで立ち止まることを選びましょう。

生まれてから一度も止めてこなかった思考を止めた。無意識のうちに熟考した偶然が投げ出した答えであった。治りかけで痒いのだと心を擦り合わせては傷を広げ、硬くなった皮膚が鎧のように互いをゆるさない。何をするにも加減を知らないのは全く違わず馬鹿のそれだった。ぼくがずうっと努力して、考えに考えて選んだ道がこの犯罪を生んだ。いわばこの犯罪はぼくの人生において避けられない壁であり証であるのだ。これを為さなければぼくはぼくではなかっただろう。だからこの大罪を抱いたぼくのことを赦してください。あなたをもう離せないくらいにはどうしようもなく好きだから。いざあなたの真白い身をも抱き止めましょう。ぼくとあなたが在れた事実を地に描き止める。沢山の誤を今築き上げる。

考えても改めても努めても

罪は償っても消えることなどない。

一生の大罪を持つ僕と手を繋いでいてくれますか。

一瞬の美しいあの感情を永遠としませんか。

忘れることはない



「恐ろしく純なことは人に羨まれ、只々宗教のような狂気であるのだ。さて、東西東西。」

独白と告白。

すれちがっていることには気付いていた

一つ間違いで今までの人生の成功や努力が全くないものとされることを嫌悪している

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