誰だこの子は?
その次の日....
俺は眠れなかった。
何故かと言うと...そうだ。
今も此処に居る、部員のせいだ。
そして....
何故....
「何故愛果さんが居るんですかね」
昨晩は居なかったのだが....
勿論言った。
「何故貴女が此処に」
じゃあ帰ってください。
と言いたいが、この状況では
言いにくい。
「と言うか、もう直ぐ文化祭ですね」
「もうそんな時期か」
まず女子がこの家で
こんなに居るのは可笑しい。
などと話したり、
いろいろな遊びをしたりして
一日を過ごした。
学校に行くと...
男子の視線がこちらに。
「なあ蒼樹、お前良いなぁ」
「何の事だ」
「お前仲いいだろ」
「あの学校の美女三人と」
「誰だ?」
本当に知らない。
いったい誰だ?
学校一の美女とは?
別に俺は付き合っている訳でも
無いから、そんな驚く事でも無いだろう。
俺にとっては。
驚く事ではない。
俺は普通じゃないんだ。
そう、前までは....
前までは俺は普通じゃなかった。
周りにとっては、もう
極端に言ってみれば、
歩くゴミ箱
と言う感じだ。
俺は....
今、
普通になってきている。
これは....
良い事なのか...?
普通と言うより、
普通以上だ。
皆から普通に声を
掛けられるようになった。
でも.....
それまでの自分が、変わっている
様な気がして....
俺は泣けてきた。
なんで普通に今までなれなかったんだ。
普通って...こんなに良いものなのか...
なんで俺は...
今まで....
「蒼樹君?」
と言われた。
此処は教室、
しかも今は授業中、
皆がざわつかないはずもなく、
皆は心配してくれた。
そう....
俺はこれを待ち望んでいたのだ。
この、普通を。
俺は恥ずかしくなり廊下を出て、
走っていった。
それを勿論後悔した。
教室に行くのが気まずい。
でも、
行かなければいけない。
俺は教室に戻った。
だが、考えとは裏腹に、
すんなり皆は迎えてくれた。
良いな.. 普通って。
それから昼の休憩。
部室に呼びだされたので
向かう。
昼飯として、
学校の売店で買った
焼きそばパンを持っていく、
そして廊下で誰かとぶつかった。
「すみません」
何処かで見た顔。
何処かで見た顔だが、
学校で見た事がある
とかそう言う事ではない。
前...
そう、小さい頃の友達の、
黒い髪の
男の子?
だが今会ったのは、
男ではない。
女子だった。
まぁ気のせいだろうと思い、
部室に向かう。
部室の前からは、
何と言うか、
その、
危ない空気が漂う。
「遅いですね」
「ごめん」
「まぁ良いわ」
危ない空気が漂ってはいたが
そんな感じは全くしなかった。
でもなんだ?
あのさっきの女の子は....