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第6話

【人間】

皆川遥人

上野斗真

相田一樹


【天使】

エレベーター係(アニー(♀)、テオ(♂))

アラン(♂)

アリス(♀)

ヨハン(♂)

マノン(♀)

リーズ(♀)


【悪魔】

レオン(♂)

ジルダ(♀)

ノエル(♀)

「腹減った…」


悪魔3人は、とぼとぼと現世を歩いていた。


大丈夫ですかレオン様?!、とジルダは心配そうにする。


あ…、とレオンはフェンスを指さした。

指の先には蜘蛛の巣。その真ん中には小さな蜘蛛がいた。


「レオン様!今、お持ちしますから!」

そう言ってジルダはフェンスのもとへと走り、蜘蛛を捕まえようとするが────


「…、…!」


ジルダは蜘蛛が苦手だ。

触れない。



はぁ、とノエルは溜息をついてさっさと蜘蛛を捕まえる。


「はい、ジルダ」

ノエルはジルダに蜘蛛を渡した。


ひっ…!、と声を上げるも、なんとか手を丸めて逃げないようにするジルダ。


「あ、ありがと…」

そう言ってジルダはレオンのもとへ駆け寄った。


「レオン様!この私が捕まえてきました!」

ジルダは蜘蛛を差し出す。


レオンは左手を翳し、魂を喰らった。

蜘蛛は動きを止め、地面へと転がり落ちた。


「レオン様、大丈夫ですか?」

顔を覗くジルダ。

蜘蛛の魂は小さいからあまりお腹は膨れない、とノエルは言った。


「ちょっとノエル!レオン様の好物をバカにする気?」

「そんなつもりない」


ジルダは、むー!、とノエルを睨みつけた。


「さっき食べ逃した人間はどこ行った…!」

そう歯を食いしばるレオンに、私も探すの手伝います!、とジルダは言った。



「悪魔!見つけましたよ!」

ヨハンたち天使が、悪魔の前に現れた。


「げ…天使!」

「タイミング悪すぎ」

「一体何のようだ…!」



「遥人お兄ちゃんを、助けて欲しいの!」

「お願いです!悪魔にしかできないんです!」

エレベーター係のふたりは手を握りしめながらそう言った。


「遥人?誰なのよそれ!」

そう言うジルダに対し、アリスは一歩前に出る。


「あなたたちによって、魂を不安定にされてしまった人間です」


「だから何?助けろっていうの?」

「私たちは悪魔。そんなこと、しない」

「悪魔舐められたものだな」

と、悪魔は次々と口に出した。


アリスはまた1歩、前に出る。

「このままでは、生きてもいないし死んでもいない。遥人さんが人間として生きる場所がないんです。…お願いします!」

頭を下げるアリス。エレベーター係のふたりも続けて、頭を下げた。


ヨハンは頭を下げることなく、後ろを向いた。





「では、取引をしよう」

レオンはアリスの肩に優しく手を置き、

「え」

力強くジルダのノエルのもとへ背中を押した。


きゃっ、と小さな悲鳴を上げるアリス。女悪魔たちは素早くアリスを捉えた。


「「アリスお姉ちゃん!」」


後ろを向いていたヨハンは反応が遅れ、手鏡を翳すが────


「無駄だ」


レオンに組み伏せられるヨハン。その力の強さに、歯を食いしばった。


「鏡を離せ」

「…っ」


さらに力を強くするレオンに顔を歪ませ、ヨハンは手鏡を手放した。


レオンは続けてヨハンを殴り飛ばす。


「「ヨハンお兄ちゃん!」」

エレベーター係はヨハンに駆け寄る。



「今後一切、我々の食事には関わらないというサインをよこせ。そうすれば、この女と遥人とか言う人間を救ってやろう」


レオンはそう言い、胸元のポケットから一枚の紙切れを出した。


「この場所で、待ってるからな」


レオンはその紙を投げつけ、女悪魔とアリスと共に姿を消した。


「待て!!」

追いかけようとするヨハン。しかし先程のダメージのせいか、すぐに倒れてしまう。


「くそっ…!」

ヨハンは己の無力さと悪魔に負けたという不甲斐なさに、地面を思い切り強く叩いた。


「アリスお姉ちゃん連れてかれちゃった…!」

「どどどどうしよう!」

「「どうしよう!どうしよう!」」


エレベーター係のふたりは慌て、その場で動き回る。


「あれ、アリスは?」


その時、遥人の声が聞こえた。

エレベーター係のふたりは声の方向を見ると、マノンとリーズとアランもいた。


「「大変!大変!」」


エレベーター係のふたりは、その4人に駆け寄る。


「アリスはどこ?」

遥人はあたりを見渡す。


「…悪魔に、連れていかれました」

「え…?」

ヨハンのその言葉に、思わずリーズは声を漏らした。


「遥人さんとアリスさんを助ける代わりに、今後一切、悪魔の食事には関わらないというサインをよこせと…」


そんなサイン渡せるわけないよ!、とアランは声を荒らげた。


「時間はかかりますが、他の悪魔を見つけ出し、その悪魔に遥人さんを助けてもらうことができれば大丈夫なのですが…」

「そんなのできるわけないだろ!!」

遥人は一段と大きな声を上げた。

「そんなことしたら、アリスはどうするんだよ!!…マノンさん、アリスを助けに行きましょうよ!」


遥人はまっすぐにマノンを見つめる。


「…厳しいね。たったひとりの天使のために、そんなサイン、渡せるわけない」


そう呟くマノンに、そんな…、と遥人は座り込んだ。

【人間】

皆川遥人

上野斗真

相田一樹


【天使】

エレベーター係(アニー(♀)、テオ(♂))

アラン(♂)

アリス(♀)

ヨハン(♂)

マノン(♀)

リーズ(♀)


【悪魔】

レオン(♂)

ジルダ(♀)

ノエル(♀)

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