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マクビディ・ビスケット  作者: 三池猫
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第一話「恐怖! 怪人クモ男」 01

 イケナインジャーVSブラック・デモンが戦う一時間前にさかのぼる。

 俺の働いているファミレスは日曜の午後ということもあり、かなり忙しい。

 目玉焼きハンバーグやオムライスなど、様々な料理が客の待つテーブルに運ばれていく。そのたびに、戻ってくるホールスタッフの手には空いた皿が積まれており、洗い物を次から次へと俺に持ってきやがる。

 洗っても洗っても終わりが来ない洗い場で、俺こと東郷威(とうごうたける)は作戦実行の合図を待ちわびていた。

 上野から日本橋へ伸びた中央通りに秋葉原という街があることはご存じだろう。電子部品や家電、アニメや漫画など何でもござれの電気街のことだ。

 我がブラック・デモンは、『ドンキホーゲル秋葉原店』前に設置された特設会場を襲撃するべく、一週間も前から戦闘員を潜伏させていた。

 従って、見習い戦闘員である俺も一週間前からこのファミレスで働いている。

 毎日八時間も洗い場で洗剤漬けにされていたので、俺の皮膚はボロボロになって痛々しい有様になっちまった。今まで、ファミレスで働いた経験がなかったので分からなかったが、学習したことがある。それは、俺と洗剤の相性がとてつもなく悪いっってことだ。それと、料理長との相性も悪い。

 なにかと「洗うのが遅い」「手際が悪い」「使えないヤツ」と罵倒しては俺の頭を叩きやがる。

 作戦が終了すればこんな職場すぐに辞めてやる。そして、お礼参りとして、料理長を呼び出して神田川に投げ飛ばしてやる。きっと、隅田川まで流れ着く頃には、洗い物係を大切にする清らかな心に変わっているだろう。

 そんなことを思いながら、今日もお皿を洗うのだった。

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