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虎子町物語  作者: ao
6/11

風と音のなかで



~田中未来のブログ~

10月11日 19:30 sub:わかんないんだ


好きってなんだろう


わからなくなってしまった。


友達にも家族にも裏切られた私に彼はそれを教えてくれた。


どんなに私が穢れた存在であっても彼は受け入れてくれた。


なのに愛し愛された筈の私はまたわからなくなってしまった。


何故だろう


わかんないんだ


彼といる未来に恐怖さえ感じる。


そんな自分がたまらなく憎い


憎い憎い憎い憎い


ごめんなさい


ーendー


■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□


携帯の画面をメール作成画面に変えた未来は


「別れたい」


その4文字をうち送信ボタンを押した。


「……………………」


部屋の沈黙と何とも言えない虚無感に耐えらてなくなった未来は思わず家をとびだした。



かなり日は暮れているから人には会わない筈だ。

できるだけ人に会いたくない。

…いやもしかしたらその時は心のどこかでは会いたかったのかもしれない。


未来の足はなんとなく近くの河川敷に向かっていた。


川を流れる水音と風に揺れ交じり合う雑草たちの葉音。

もう日はすっかり暮れて辺りは真っ暗だ。

街灯もない。


風と音だけの世界のなかで雑草たちの上に腰を下ろすとやっと闇に慣れてきた未来の目が何らかの生物らしき物体を映した。


「………………!!!」


それは心なしかまだ背中の小さい中学生くらいの1人の少年だった。


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