プロローグ
ふぁにーです。
投稿はノロノロペースですが、読んでやってくださると泣いて喜びます。笑
ではではごゆっくり。
ばばいしゃ
‘‘婆医者”をご存知だろうか。
本名を椿野レイ。‘‘婆医者”はニックネームのようなものだ。
いつからか虎子町は西、夕山の奥深くに住む老齢の医者だ。
医術は「まさに奇跡」と呼ばれる程の技術をもつ。
その為、不治の病に侵された者が最後の希望を求め命を懸けた旅に出る。
椿野の家には、そうまでしないと辿り着かないのだ。
奇跡を求め、最後の生きるための希望を求め旅に出るのだが、もちろん患者や他の体力はもたず、9割が途中で断念するか、死ぬ。
だから夕山は死体のころがる、呪いと恐怖の山なのである。
椿野自ら山を下りてくることは、ない。
理由は謎。
そして医者の曲に生活は自給自足。生活用品などは奇跡的に辿り着いた患者達から奪う―…まあ、診療代だ。これらを持って行かないと診察は受けてもらえない。‘‘婆医者”と呼ばれる所以とも言えるだろう。
―ただし、ここまでの事は全て噂だ。
奇跡的に病を克服した者が、奇跡的に山を下りて話した事実か、またはただの迷信か。
確かめた者は未だかつて、ない。
ただしこれだけは事実―
…その婆医者が一昨日、死んだ。