第7話:【悪魔と魔界の門】
ミルクティーの甘い香りの中、いつものように真央進行による作戦会議が始まる。
「ようやく5つ集まりましたね、魂魄。」
「ああ…これでやっと、魔界の扉が開くんだな。…よしっ!出発!」
ご利用は計画的にー―っΣ(°□°;)!
「敵の本拠地に行くのに、どんだけノープランだ!!3秒で死ぬぞ(-.-;)!」
「心配しなくてもちゃんと準備してあるわよ。」
キュバスが五段重ねの重箱を見せる。
「弁当の心配じゃねぇっΣ(°□°;)!」
すかさず真央がカバンからニンテンドーDSを出して見せるが、そこはもうスルーで話を進める。
「真央…、実は魔王様の事なんだけど…。」
「分かってる。助けたいんだろ?」
やはり、真央には俺の考えは全てバレているようだ。
「ああ。魔王様は今、命を狙われている。何とか暗殺は阻止したい。」
真央は俺の言葉に満面の笑顔を浮かべる。
「魔王ってシュロムシルトだろ?俺の友達でもあるわけだからな。もちろん助けるさ!」
真央が味方で良かった。アスラ達のような姑息な奴らに魔王様は殺させない。
「よしっ!そうと決まれば出発だ!」
早ー―――――――っΣ(°□°;)!!
「だから、計画はちゃんとたてろって!!」
「大丈夫よ。ちゃんと準備してあるわ。」
キュバスが八段重ねの重箱を見せる。
三段増えとるー――っΣ(´Д`)!!
「ははっ(笑)ジェダは心配性なんだよ。大丈夫、大丈夫。何とかなるから。」
何を根拠に大丈夫なのか…orz
「魔王様のコトも心配だし、善は急げって言うしね。」
もう、俺が何を言ってもムダなようだ。
「じゃぁ、今度こそ魔界に向けて出発っ(≧∇≦)!」
「…とりあえず、DSとWiiは置いて行け(-"-;)」
こうして、俺達3人は無計画のまま魔界に向けて出発した。
「ここが魔界の門かぁ…」
目の前に重厚で巨大な門が立ちはだかる。
「この門を開けば向こう側は悪魔がウヨウヨ居る世界だ…。それでも、開くのか?」
この先はいくら真央であっても、命の保証は出来ない。俺は最後にもう一度念をおす。
「真央様、ここに集めた魂魄を入れれば門が開くシステムなんですよ(≧∇≦)」
「へー。やってみたい(*>ω<)」
既に開けとるー――――っっΣ( Д゜)゜!!
真央とキュバスの協同作業により、ゴゴゴ…と重い音をたてて扉が開く。
「お待ちしておりましたよ。勇者様御一行。」
扉を開けると目の前に1人の悪魔が待ち構えていた。
「アナタですか?例の真央とゆう人間は。目障りです、消えてもらいますよ。」
「ども。こんにちは(≧∇≦)俺達、観光で来たんだけどお勧めスポットとかありますかねぇ?」
目的変わっとるー――っΣ(°□°;)!
「真央様、観光ではありません。新婚旅行です。」
リゾート感覚ー――――っΣ(´Д`)!?
「チッ(-"-;)アスラ様は何故こんな奴らに殺されてしまわれたのか…。」
その辺り、激しく同意。
「私は、魔獣使いの【ナラカ】。アナタ達には、我が下僕の餌になっていただきます。」
やはり、戦いは避けて通れないようだ。
ナラカが足元の方陣に掌をかざし呪文を唱える。
「魔獣召喚っ!出よ地獄の門番【ケルベロス】!!」
方陣が闇を集め、影が1つの形を造る。
「ジェダ…何か、デカいの出てきた(°□°;)」
俺達の目の前に、全長5m程の3つ首の大犬が現れる。
「ヤバい。ケルベロスだ(°□°;)コイツ魔獣の中でも最強クラス。」
「真央様…アレ、多分私でもムリです(-.-;)」
真央はただ黙って、ケルベロスを見詰める。
「さぁ、ケルベロス!その者どもを喰らい尽くせっ!!」
ナラカの命令に、1つ唸ってこちらを睨みつける魔獣。
「マズイっ!真央、逃げるぞっ!!」
ケルベロスが唸りをあげて真央に向かって突進して来る。
「真央様っ!!逃げて下さいっ!!」
ケルベロスの牙が真央を頭から狙う。
腰の拳銃に手を伸ばす真央。
「ダメだっ!!間に合わないっ!」
終わった…。その場に居る悪魔全員がそう思った。
「おすわりっ(;`□´)!」
真央のバカデカい声。
ケルベロスの動きがピタリと止まり、そのままチョコンとその場に座る。
「ん??????(°□°;)」
そこにいる全員が、目の前で起こっている出来事を理解することができず、シンと状況を見守る。
「お手。おかわり。伏せ。」
真央は、ケルベロスに次々と命令を出し、ケルベロスはそれに尻尾を振って応える。
「やっぱりそうか(≧∇≦)久しぶりだなぁ、ポチぃ!」
ポチー―――――っΣ(°□°;)!?
「あの頃はまだ子犬だったのになぁ。大きくなりやがって。」
真央とケルベロスは、俺達を無視してじゃれ合っている。
「あの…、もしかして…知り合い?」
ナラカはおずおずと真央に聞く。
「知り合いって言うか、ポチはシュロムシルトの犬だろ?何でお前が勝手に命令してんだよ(-"-;)」
「いや…、私は魔獣使いなので(ry」
何だか、もう明らかにオドオドし始めたナラカ。
「ポチ、今からシュロムシルトの所に行くけど、一緒に行くか?」
ケルベロスが尻尾を振りながら「ワン!」と応える。
完全に形勢逆転。
「さぁて、ポチ。敵はあのナラカだ。…踏み潰せ!」
真央の命令でナラカに突進するポチことケルベロス。
「うわぁぁ!?お、おすわりっ!!」
ケルベロスはナラカの命令を無視。
思い切り前脚で踏みつけた。
「さて、ポチにも出会えたし、先を急ぐか。」
気絶するナラカを横目に魔界の門を後にする。
「ポチ君、私はキュバス。よろしくね(*>ω<)」
ケルベロスはキュバスに尻尾を振っている。既になついているようだ。
「…あのさぁ、さっきから右の頭が俺を見ながらヨダレダラダラなんだけど(o言o;)」
喰われる。俺、いつか喰われる。
「大丈夫。変なモノ食べないように躾てるから。」
…不安過ぎる(°□°;)
こうして、俺達は新たな仲間と共に魔王様の城へと向かった。