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第5話:【悪魔と思い出】

いつもと変わらない1日。

アスラの一件から少しだけ静かな日が続いている。

さすがに幹部が返り討ちにされたとあって、あちらとしても慎重になっているのだろう。

まあ、今の俺にとってはこの静けさが有り難くもある。


「…飽きた。久しぶりに悪魔探しにでも行くか( ̄3 ̄)」

真央の一言で安らぎの日々は即終了orz。

「じゃあ早速準備に取り掛かってくれ。」

ああ…もうやる気満々のようだ。


「キュバスはお弁当を作ってくれ、唐揚げは忘れないように気を付けて!ジェダはビニールシートと飲み物を用意だっ!」


ピクニックだー―――――っΣ(´Д`)!!


「遊びに行くだけじゃねぇか!悪魔探しなんてする気ゼロだろ(°□°;)!?」

「真央様。お弁当の準備が出来ました。飲み物、ビニールシートも準備してあります。」


早ー―――――――っΣ(°□°;)!!


もう、むしろ出来上がったモノがこちらにあります的な?

「…お前ら、ちょっと油断し過ぎじゃないのか(-"-;)?」

俺の堪忍袋の緒もそろそろ限界を迎えようとしている。

「この状況で、何考えてんだっ!もっと大事な事があるだろっ(;`□´)!」

「…ゴメン、ジェダ。俺、どうかしてた…(´д`)」

さすがの真央も、シュンとして下を向く。



「せっかくのピクニックなのに、バドミントンを忘れるとはっ(≧∇≦)!!」


ピクニックを忘れろー――――――っΣ(´Д`)!!


「真央様。バドミントンでしたら、すでにカバンの中に用意してます(≧∨≦)」


できる女ー―――――――っΣ(´□`)!!


この2人、完璧過ぎる。完璧にアホ過ぎるorz

「ジェダ、さあ出掛けるぞ(゜∀゜)!」

…嫌だと言ったところでムリヤリ連れて行かれるのだろう。

俺は色々と諦めて、おとなしく同行してやることにした。


連れて行かれた先は近くの森林公園だ。


池を泳ぐ水鳥の親子、降り注ぐ眩しい太陽の光、その光を碧く茂った木々が…



悪魔だよね?俺達。


真央とキュバスは、公園デートを満喫しているようだ。

俺も少しだけ今の状況を忘れて、芝生に横になった。


「おーい。ジェダ、お弁当にしよう(≧∇≦)」

しばらくして、2人は俺の側に駆け寄って来た。


3人で芝生に座ってキュバスの作ったお弁当を開ける。


「…しかし、まさか俺やキュバスが人間と一緒に弁当喰う事になるとは思わなかったな。」

こんな状況は以前の俺では想像すら出来なかっただろう。

「私もです。こんなにも人間を愛してしまうなんて考えられませんでした。」

キュバスは相変わらず真央にベッタリだ。

何だろう…疎外感|(T_T)


「でも真央様って本当に不思議な人ですよねぇ。普通じゃないと言うか…悪魔なれしてる感じがします。」

確かに。俺も今まで真央ほど馴れ馴れしい人間に会ったことがない。


「ああ。だって俺、昔悪魔と契約してたことあるし。」


え・・・・(°□°;)?


俺とキュバスの弁当を食べる手が止まる。

「お前達以外の悪魔に、俺の願い叶えてもらったコトがあるからな(笑)」






えぇー――――――――――――――――――――――――――――っΣ(°□°;)!?

真央の有り得ない台詞に動揺を隠せない俺。

しかし、すぐに冷静になって聞き返す。

「さすがにそれは嘘だな(-д-)」

俺もそう易々と真央に騙されてやるわけにもいかない。


「悪魔との契約は一度してしまったら、願いを全て叶えて魂を奪われるか、相手の悪魔を殺すかしないと…」

まさか…(o言o;)

「ははは、殺したりなんてしないよ(笑)」

言葉に説得力が感じられないのはどうしてだろう。


「それなら、どうやって今ここに居られるんですか?」

キュバスが話しに割って入る。


「そうだな…あれは8年前。俺がまだ小学生だったころの事だ。ジェダの時と同じように突然、目の前に悪魔が現れた。」

これが本当なら、あの日の軽いノリも頷ける。


「どんな願い事したんですか?」

キュバスは興味津々で真央を見つめる。

「1つ目の願い事は、都内の一等地で土地付き一戸建てに一人暮らしがしたい(*>ω<)」

具体的過ぎるっΣ(°□°;)!

何か嫌だ、そんな小学生。

「2つ目は、友達になって欲しい。」

「わぁ可愛いお願いですね(*>ω<)」

キュバスの言葉にニコッと笑う真央。

「うん。友達1人もいなかったからね(笑)」

ぼっちー―――――――っΣ(°□°;)!!

笑えない。何があった幼少期の真央君。小学生なら友達の一人二人居るだろう…


「んで、3つ目が…お前の魂を俺によこせ。」


何ー――――――っΣ(°□°;)!?


「何だそれっ!そんな願い事ありなの!?」

コイツの願い事はガキの頃から突拍子もない。

「多分アリだったんじゃないの?実際、俺の中にその悪魔の魂が在るわけだし。」

「じゃあ、真央様の魂と悪魔の魂が入れ替わったって事ですか?」

真央がしれっとした顔で頷く。


「何てこった。そんな事がバレたらその悪魔、魔界追放くらいじゃ済まないかもな。」

キュバスも困り顔で頷く。

「うん。ちょっと可哀相|(T_T)でも、真央様の魂を奪おうとした奴が悪い(`ε´)」

あくまで真央の味方なキュバス。お前も確か…

「ところで何て名前の悪魔なんですか?」

俺の言いたい事に気が付いたのか、キュバスはスッと話をそらした。


「たしか…シュロムシルトだったかな。」


え・・・・・?



「それって魔王様じゃん(°□°;)!」

「それって本当ですか?じゃあやっぱり真央様は魔王になるべき人なんですね(≧∇≦)」

キュバス…真央の悪い病気が感染ったかorz


「イヤイヤイヤっ(°□°;)ノシ!呑気な事言ってる場合じゃないだろっ!悪魔史に残る大事件じゃねぇかっ!!」


思いがけず魔王様の秘密を知ってしまった(´□`)

この事がバレたら俺達は、魔王様の手で確実に消されるだろう。


「諦めろ。」「諦めたら?」

俺はこの2人に逃げ道をどんどん塞がれていっている気がする…orz


「へぇ。そいつは面白い話しを聞いたな。」

俺の真後ろからの声。嫌な予感がする。


「おかげで良い手土産が出来たぜ。」

そこに立って居たのは魔族の中でも特に陰険な悪魔【フォビア】だった。


「くっ!!マズイ(;`皿´)!」

俺はとっさにフォビアを攻撃する。

…が、それは無情にも空を切る。

「ジェダっ!いくら悪魔相手だからって、いきなり攻撃は感心しないな(-д-)」

えぇっΣ(°□°;)!?

何故か真央に怒られる俺。

「ジェダ、相手を攻撃して良いのは、自分や仲間の身を守る時だけだ。それ以外は簡単に人…ヌッ殺っぞゴラァー―っ(;`皿´)=⊃)゜Д゜.:!!」

ぬえぇっΣ(°□°;)!?

真央の渾身の右ストレートがフォビアの顔面にクリーンヒット。フォビアはもんどりうって地面に倒れ込む。

「キサマ…せっかくキュバスが作ってくれた弁当、踏みつけてんじゃねぇぞっ(`Д´)!!」

何その理由っΣ(°□°;)!!

そして間髪入れずキュバスが横たわるフォビアを踏みつけにする。

「こちとら朝5時起きで真央様のために丹精込めて作ったんですけど(-"-;)」

やっぱりピクニック計画的だったーっΣ(°□°;)!!


「あ、あの…本当、すみませんでした。」

力の差を把握したのか、めちゃ素直に謝るフォビア。

「僕の持ってる魂を差し上げますんで…マジ命だけは助けて下さい。」

そういって持っていた魂を差し出す。

「反省したようだな。キュバス、許してやれ。」

キュバスは魂を受け取るとフォビアを解放した。

すかさずフォビアは一目散に逃げて行く…って、

「逃がしちゃダメだー――っΣ(°□°;)!!」


気が付いた頃にはフォビアの姿は小さな点になっていた。



「終わった…俺の人生、終わったorz」

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