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第1話:【悪魔と魂】

目が覚めて最初に目に入って来たのは、見慣れない天井。狭い部屋にゲームソフトの山、…そしてクソガキ。

「あ″ぁーっ!!夢じゃなかったぁ(TдT)マジ面倒くせぇ!!MAX面倒くせぇ!!」

結局、真央の意志は固く俺達は【魔王を倒しに行く】という、RPG的な方向性で話しが固まった。

「朝っぱらからうるせぇっ(;`皿´)!!」

俺の顔面に真央の投げた枕が直撃。さすがに俺もキレそうだ。しかし、ここは俺が大人になろう。

「ところで真央。具体的にどうやって魔王様を倒しに行く気なんだ?」

真央はニヤリと笑う。この顔はたいがい悪い事を考えているときのそれだ。

「2つ目の願いだ。対悪魔用の銃を出せ。弾数制限無しのヤツ。」

またムチャを言い出した。しかし、それくらいの願い事なら簡単に叶えられたりする。

「テレテレッテテー♪対悪魔用無限ハンドガン~。…俺には向けるなよ。」

渋々、危険人物に危険物を渡す。

「OK、OK!(b^ー°)武器も手に入れたし、行くか!魔王のところ。」


「早ー―っΣ(°□°;)!初っ端からラスボス狙いて!行き方も分からずエンディングて!」

焦る俺をしり目に「行けるイケる。」的な感じのKY野郎こと真央。

「そもそも、魔界に行くためには人間の魂が必要なんだよ。だから今は無理だ。」

「じゃぁ、今すぐ採って来い。」

真央的即答。コイツマジデウザイDETH。

「俺は真央と契約してるから、これが終わらなきゃ他に行けないんだよっ!」

俺の言葉に何かを考える真央…。

「幾つ要るんだ?」

そう言いつつ部屋の窓から銃口を突き出した。

「ダメーっΣ(°□°;)!!人殺しはダメーっ!!」

「…何で?魂が要るんだろ?」

この時、俺は本当はコイツ悪魔なんじゃねぇのかと本気で思った。

「説明するから、ちゃんと聞いてくれ。大きく分けて魂には3つ種類が在る。1つ目は【白魂】欲の無い綺麗な魂。2つ目は【灰魂】まぁだいたいの人間はコレだな。3つ目は【黒魂】欲にまみれた最も暗く重い魂だ。」

長い説明にも関わらず、真央は黙って聞いている。

「悪魔に必要なのは【黒魂】だけ。魔界の門を開くにはそれが5つ必要なんだ。」

真央は思い付いた様に口を開く。

「それなら悪人を殺しに行くか。」

あまりの躊躇無い言葉に驚きを隠せない。

「それは難しいな。俺達が欲しいのは、満たされた瞬間の魂だ。人間の欲望は果てしないからな。」

…一時間後。

真央が何かしらの黒魂集めのプランを考えついたらしく、ムダにハイテンションで俺を呼ぶ。


「それでは、只今より黒魂収集に向けての作戦会議を行います。」

うわぁ(°□°;)また面倒くさそうなノリで来たなぁ。

「今回の作戦は大きく分けて2つ。まずはプランA…他の悪魔を脅して、ソイツが集めた魂を奪う。」

「恐喝ー――――っΣ(°Д°;)!?」

本気で一度、このバカの脳内見てみたい。

「お前は俺を裏切り者にする気か!?ただでさえ魔王様を倒す手伝いなんて有り得ないことやってるんだ!そんなプランは却下だ、却下!」

「…大丈夫だよジェダ。俺が魔王になった暁には、お前は俺の側近として優遇してやるから( ̄∀ ̄)」

もぅ、コイツぶん殴ってもよろしいですか?

「とにかくダメだ!次のプラン!」

真央は、俺の反応にガッカリした顔をして、話を続ける。

「それならプランB。…あまりお勧め出来ないけど…俺がジェダの代わりに誰かしらの願い事を叶えて、その報酬として魂を頂く。って言うのはどうだろうか。」

真央にしては良い考えだ。それなら俺は真央と契約したまま他人の魂を集める事も可能だ。

「…よし。それならプランBで行こう。俺も裏切り者にならずに済むしな。」

早速、俺達はターゲットを探して街に出た。

「あのぉ。アナタの願い事を3つだけ叶えてあげたいんですけど…」

真央は適当な人間を選んで声をかけた。

「…キモイ(-"-;)」

即撃沈。

まあ、普通の人間なら当然そんな感じの反応になる。


それからも、4時間ほど声をかけ続けたが、成果はゼロ。

「真央…。今日は諦めて帰ろうか。」

さすがに俺も少し可哀想な気がして来た。


「ケケケケケ(゜∀゜)!何だかアホな事やってるなぁ!」

諦めて帰ろうとしたその時、背後から胸くそ悪い笑い声が聞こえた。

コイツの名前は【ビルヴィス】。

俺と同じく、人間の魂を集める悪魔だ。


「ふん…このクソガキか。魔王になりた~いとか言ってるイタい奴は。なれるワケないっつーの!てか、人間の分際で?魔王て。有り得ないっしょ!」

本っ気で胸くそ悪い。


それでも真央は相当にヘコんでいるのか、黙ったまま下を向いている。


「だいたいさぁ、ジェダ君もさぁ、ちゃんと考えて契約しようよ。そんなんだからオチコボレなんて言われるんじゃないの。」


「・・・・・・・・・・・・」

「でもまあ、やっぱり?オレサマ位の悪魔にならないとマトモな契y…」


―ガンッ!ガンッ!ガンッ!―


発砲音が続けて3発鳴り響き、ビルヴィスの翼に綺麗に3つ穴が空く。


『…プランAに変更。』

初めて、俺達2人の意見が一致した。

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