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第9話:【悪魔と最終決戦】

「…っと、その前に、ケルベロスは厄介だなぁ。しばらくどこかに行っててもらおうか。」


ヤハウェが指を鳴らすと、ケルベロスの体は地面に呑み込まれるように消えて行く。

「アンタ達、ナラカにトドメさしてないでしょ。ケルベロス、召喚してもらいました。」

したり顔でニヤリと笑うヤハウェ。


「なんだ。生きてるなら何も問題ないね( ̄∀ ̄)」

いきなりの戦力ダウンも、真央は全く動揺していないようだ。


「うーん、それでも4対1だしなぁ、…いや、無能な悪魔と力の無い元魔王が居るから2対1か(笑)」

いちいち頭にくるモノの言い方をする奴だ。


「ふふ…。力無き魔王?誰の事を言っているのかわからないが。」

そう言って魔王様は、右手をかざして呪文を唱える。


「焼き尽くせ…。」

魔王様の掌から直径30㎝程の火球が現れ、ヤハウェに向かって撃ち出された。

火球は、ヤハウェの髪をかすめて、後ろの壁を破壊した。


「…っ!?アンタ、人間に魂を奪われたはずじゃなかったのか!!」

ヤハウェは飛び散った火の粉をはらいながら、臨戦態勢を取り直す。


「俺は魂を奪われたんじゃない。ただ交換しただけだ。」

魔王様の横では、何故か真央が胸を張っている。

「お前…俺達が何の意味も無く魂魄を集めていると思っていたのか(-д-)?」

今度は魔王様がしたり顔でヤハウェを見据える。


「人間の魂には、強い力が秘められている。それを手に入れるために願いを叶え、代わりに魂を譲ってもらっている。…そして、この炎は真央から譲り受けた力だ。」

淡々と説明する魔王様の横では、真央が見下すような目でヤハウェを見ている。

…小憎たらしい(-"-;)


「く…っ!能力が有ったところでアンタ達ごときに負けないさっ!」

ヤハウェが2本の剣を振りかざし、此方に向かって飛び込んで来る。

「真央、気を付けろ!コイツは強いぞ!」

最初の一振りは真央と魔王様の間に打ち下ろされ、2人が紙一重でそれをかわす。


「ああ、大丈夫。俺も強いから。」

真央は後ろに飛び退きながら、素早く二度引き金を引く


2発の弾丸は、ヤハウェの肩と腕をかすめ、後ろへ逸れる。

ヤハウェは体を捻り、流れるように左の剣を横に凪ぐ。

「くっ!!」

真央はそれを拳銃の腹で受け、衝撃で後ろに飛んだ。


「真央様っ!危ないっ!!」

キュバスが真央を突き飛ばす。

ヤハウェの右の斬撃は、真央の喉元ギリギリをかすめ、キュバスの腕を裂いた。

「…っ!キュバスっ!!」

間髪入れず、ヤハウェの蹴りがキュバスの腹部を捉える。

「きゃぁああっっ…!!」

キュバスは後方に薙ぎ倒され、そこにヤハウェの剣が振り下ろされる。


「クソっっ!!!!」

真央は倒れ込むキュバスに覆い被さるように、斬撃の軌道とキュバスの間に飛び込んだ。

次の瞬間、俺の目に映ったのは、飛び散る鮮血…。

そして、肩から胸元までヤハウェの剣を飲み込み、真央の前に立つ魔王様だった。


「うああぁぁあぁっ!魔王様っっ!!」

俺は、何も考えられないまま、ヤハウェに向かって飛び出していた。


「…ゴミが。」

俺の攻撃はかすりもせずに空を切り、ヤハウェの拳を顔面に受けた俺は、そのまま壁に叩きつけられた。


「ちっ…く、しょ…。」

自分の無力さをこれほど恨んだことはない。


「シューちゃん!何で俺をかばったりしたんだ!!」

真央は魔王様を抱きかかえ、その場に座り込む。



「…友達…だからな。助けるだろ…普通に。」

魔王様は、真央にニッコリと微笑みかける。

「そうだ…。真央、お前代わりに魔王やってくれよ。俺の…最後の頼みだ…。」

それだけ言って、魔王様は瞼を閉じた。


「ふははっ!無様な最期だな。シュロムシルト。」

ヤハウェはゆっくりと真央に近づいて行く。

「くっ!貴様ぁっ!!」

真央は座ったままヤハウェに銃を向ける。

「…雑魚が。」

ヤハウェが真央の右手を蹴り上げる。

拳銃は真央の手から離れ、地面をカラカラと転がった。


「さあ…、そろそろ幕を降ろそうか。」

ヤハウェの剣が、真央の頭上に振りかざされる。



「…ジ・エンドだ。」


何もかもが終わった…。

覚悟した瞬間、視界の端を黒い塊が走り抜ける。


「…っ!?何っっ!」

その塊は、真っ直ぐにヤハウェにぶつかっていく。

突然の事に身構える間もなく、ヤハウェの体が宙に浮く。

「ポチっ!!」

そこには、体中に傷を負ったケルベロスが、ヤハウェをくわえて立っていた。


「ぐぁ…、魔獣ごときがこの俺に牙を向けるとは…!」

ケルベロスの牙はヤハウェの体をくわえ込み、骨の砕ける音がギシギシと響く。


「ははは…、どうした?ポチ…傷だらけじゃないか。…ゴメンな、シューちゃん…守れなかった。」

一瞬、ケルベロスが悲しそうな目をした気がした。

ケルベロスは真央の傷口を舐めると、クゥンと一鳴きして落とすようにヤハウェを地面に置いた。


「ぐ…っ、あと…少しで…こんな所で…」

ヤハウェは体を引きずりながら、剣に手を伸ばす。


「…魔王ごっこは終わりにしようか。」

真央はヤハウェの手を踏みつけ、銃口を額に突き付けた。

「この…っ!俺がっ…人間ごときにっ!!」



「ジ…エンドだ…。」



乾いた発砲音が一発。

ヤハウェの顎から上を吹き飛ばし、戦いの幕は降りた。




「ポチ…シューちゃんを…頼む。」

ケルベロスは静かに魔王様をくわえると、何も言わずその場を去った。


どれくらい沈黙が続いただろうか。真央はゆっくりと顔を上げ、俺を見つめる。

「次はお前との約束を果たす番だな。」

「…約束…?」


「俺の3つの願いは総て果たされた。俺の魂をジェダに受け渡すよ。」

「・・・・・・・!?」

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