PART1
竜がいたらいいのに…という俺得な話です。いろいろ間違えた気がしますが、どうぞ生暖かき瞳で見てください。
「私を残して去りなさい。言った通りにするのです」
嫌だ。離れたくない。
「いいから、早く」
何故離れなければならないの?
『去れ。小娘!』
竜が現れて、永久の別れが訪れた。
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深い森の中を、何者かに追われるように走る何かがいる。
草をかき分け、躓きながら…。 このたどたどしい走り方は、獣ではない。おそらく人だろう。
その人は、もう息が苦しくなっているようだ。だんだん走る速度が遅くなっていき、やがて歩くのもやっとになってきた。しばらくして、もう力尽きたのか、立ち止まってしまった。
身体は細く、旅用の服から覗く肌は白い。
しばらくすると、落ち着いてきたのか、その人は顔を上げた。
汗で濡れた、薄栗色の少しウェーブのかかった艶やかな髪を細い指でまとめて、小さく深呼吸する。
持ち前の直線的な眉をきゅっとひそめて、輝く空色の瞳で先を見据えた。
そう、この少女は独りでひたすら走っていたのだ。
何故独りなのだろう?それは少女本人も疑問に思っていた。
「姫様」
私、リュシア=ドラゴニアはかつて繁栄したアスィカ王国の王女だった。
まだ幼くて、毎日が新しいものとの出会いだった。
まぁ、由緒正しい王家なのだから、それは厳しく礼儀作法を教えられた。だから、当時はこんな生活つまらないと思っていたに違いない。
私は、何よりも母様が好きで、いつも一緒にいた。でも残念ながら、時がたった今ではあまり顔を思い出せない。きっと綺麗な女性だったにちがいない。
そして、一国をまとめる王である父様は、厳しいけれど誰より私のことを考えてくれていた。やはり母様と同じで顔をあまり思い出せない。
家族以外で慕っていたのは、王の親衛隊の隊長だったと思う。名前は…ガナー隊長だった気がする。誰よりも強くて、一緒にいて楽しかった。いつもリュシー姫と愛称で呼んでくれた。なぜかこの人は顔を覚えている。顔に剣で斬られた大きな傷があったから…。
本当にあの頃は楽しかった。 何も恐れていなかった。
でも、その幸せは長くは続かなかった…。
ケータイで投稿するのは難しいです。間違いがあると思います。まぁ頑張りますのでこれからもよろしくお願いします!