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ゴリラ覚醒

ゴリラは、「草食動物」と誤解されることもあるが、正確には「繊維性食物を中心とした雑食」である。


by Wikipedia

どしどしと効果音をあげ、走るゴリ子。


今は体育の時間。

体力測定をやっている。


ゴリ子が、100メートル走を計っている真っ最中だ。

因みに、測っているのは俺だ。


「それにしても遅いな……」


ゴリ子は、小学生にでも追い抜かれそうな速度で走っていた。


どしっどしっ。


そしてゴリ子はゴールする。


ピッ。


タイムは……。


「32秒4……」


遅っ……。

人間じゃねぇ……。

あ、ゴリラか。


「ふんっふんっふんっふんっふんっ!!何かうまく走れないわね。ふんっふんっふんっ!!」


走った後だからか、鼻息がいつもより荒いゴリ子。


「あ、靴が壊れてる!どうりでうまく走れないわけだわ」


そう言うゴリ子の靴は、靴底がパカパカなって壊れていた。

でも、32秒4のタイムはあり得ないと思うぞ……。


「須藤、もう一回測りたいんだけど。ふんっ!!」


「ああ、分かった」


靴を履き替え、位置に着くゴリ子。


「よーい……」


パンッ!という合図と共に走り出すゴリ子。


「ふんっふんっふんっふんっふんっふんっふんっふんっ!!」


一生懸命走るゴリ子。

鼻息荒く走るゴリ子。

ゴリラみたいなゴリ子。


「ふんっふんっふんっ!!」


気付くとゴリ子は、ゴール間近になっていた。


「ふんっ!!」


ピッ。


さーて、タイムは……。


「20秒7……」

遅っ……。

あんま変わんねぇし……。


「何か調子出ないわね……」


ゴリ子が愚痴を漏らしていると、伊藤がやって来た。


「ゴリ子ー。どうせ朝食抜いて来たんでしょ?チョコバナナでも食べな♪調子出るよ」


「悪いわね。じゃあ遠慮無く……」


ゴリ子は、差し出されたチョコバナナを取る。


「モグモグムシャムシャモグモグムシャムシャ」


ものの数秒で平らげた。


「……須藤……もう一回測るわ……。いいわね……?ふんっ!!」


「……あ、ああ」


チョコバナナを食べ終わったゴリ子の周りから、気のようなオーラのようなものが見えるんですが、これは錯覚ですか?


スタートの位置まで歩いてゆくゴリ子。

ゴリ子が位置に着いた。


「よーい……」


パンッ。


「ふぅーーーんっ!!」


凄まじい鼻息と共に、ゴリ山ゴリ子という名のゴリラが走り出した。


ドドドドドドドドドドドドドドッ!!


ジョジョの奇妙な冒険にありそうな効果音と共に、ゴリ子が駆けてゆく。


ピッ。


「5秒6……」


速っ……。

人間じゃねぇ……。

亀仙人並だ……。


「ふんっふんっ!!いい感じね。ふんっふんっ!!」


いい感じどころじゃねぇよ……。

世界新じゃないのか、これ?


「いつもの調子出てたよー。ゴリ子!」


あれがいつもの調子なのか……。

超人じゃねぇか。


ゴリ子、恐ろしい子……!



次に、走り幅跳びをやった。


順々に跳んでいく生徒たち。


測っているのは、またしても俺だ。


つーか、何で毎回俺なんだ……。

俺は先生のパシリかよ……。


そんなことを考えていると、ゴリ子の番になった。


「ふんっ!!ふんっ!!ふんっ!!ふんっ!!」


……つーか、さっきよりパワーアップしてるように見えるのは俺だけか?


髪の毛が金色に輝いているんだが……。

髪の毛が逆立っているんだが……。

目つきが悪くなっているんだが……。


まるで、某『穏やかな心を持ちながら、激しい怒りによって目覚めた超戦士』のように見えるのは俺だけか?


「ふんっ!!ふんっ!!」


位置に着くゴリ子。


そして、走り出す。


「ふんっふんっふんっふんっふんっ!!ふぅーーん!!」


ゴリ子が跳んだ。


「……こ、これは……!」


ゴリ子の跳躍力は、想像を絶するものだった。


「……すごい……!」


まるで、翼で飛んでいるような、そんな感じだ。


どこまでも高みへ……。


「……お前はすごいやつだ……。ゴリ子、お前がナンバーワンだ!」


「ふぅうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん……」


ピューーン……。


ゴリ子は、大空へと消えた。

そして、星となった。


「さようなら、ゴリ子。君のことは忘れないよ」






次は、場所を体育館に移し、体力測定を行った。


まずは握力。


俺は、両手とも50だった。


因みに伊藤は、15だった。

かわいい。



「ふぅーーんふぅーーんふぅーーんふぅーーん!!」


そして、ゴリ子の番になる。


「…………って、いるし!!」


いつの間に戻ってきたんだ……。

星になったんじゃなかったのか……。

しかも、何か……さらにパワーアップしているような……。


髪の毛がさらに逆立って、電撃みたいなのがゴリ子の周りでバチバチいっているのだが……。


「ふぅうーーーーん!!」


バキィ……!


ゴリ子は、握力測定機を握り潰した。


「…………………」


握力どんたけあるんだよ……。

『トン』は、いってるだろうな……。



最後に、立ち幅跳びをやった。

測るのは、もちろん俺だ!

…………もちろんって何だよ…………。


順々に跳んでいく生徒たち。


伊藤は、跳んでいる姿がかわいかった……。


俺が、にやけていると後ろから何やら気配がした。


「……これは……!」


振り返ることができなかった……。

あまりの恐怖に……。


後ろからでも分かる、そいつの戦闘力の高さ……。


俺は、意を決して振り返る。


そこには……




「ふぅーー……!ふぅーー……!!ふぅーー……!!!」

ゴリ子がいた。


髪の毛が長髪になっており、目つきがさらに悪くなっている。


……これが……噂に聞く『スーパーサイヤ人3』か……。

凄まじい戦闘力だ……。


「ふぅーー……ふぅーー……!!ふぅーー……!!!ふぅーー……!!!!」


位置に着くゴリ子。

つーか、もう鼻息じゃなくなってるし……。

野獣化してる。


「ふぅううぅうぅうぅうぅうぅーーーーーーーーぅん!!!」


ゴリ子が跳んだ。


「ふぅううぅうぅうぅうぅうぅうぅうぅうぅうぅうぅうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー……………」


バキィィ!!


天井を突き破り、ゴリ子は天高く消えた。

そして、ゴリ子は星となった。


どこまでも高みへ……。

※本当のスーパーサイヤ人は、『怒り』が無いとなれません。

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