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03 出逢い

更新だいぶ遅くなっちゃってすいません!

次は今日の夕方予定です!

・・・伝言。


「今日の夕餉にこいと仰せです。

いかが致しますか?姫さま。」



もちろんそんなことを言うのは当主であり私の父だ。

あの人たちは、たまに私を呼びつけた散々罵るとまた離れに閉じ込める。

気遣うような色を見せる鈴花に向き合うと私は口を開いた。


「ーー行く。ちゃんと行くから、お父様にはそう伝えて。」


「良いのですか姫さま。無理に行かなくてもいいんですよ。」


「ううん。大丈夫ーー。

それに、私そろそろ家を出ようかと思っているの。」


へらりと笑うと、鈴花は目を丸くした。


「そうですか・・・。寂しくはなりますが、姫さまにとってもそれが良いでしょう。

何か当てはあるのでしょうか?」


「ない、わ。これから探すつもり」


出家か、運が良くてどこかで差見込みで働けるといいな、と思っているくらいで特に当てはなかった。


「だから、私、これから出かけるの。鈴花、手伝ってくれる?」


「もちろんですとも。姫さま」



***



「…先に神社に行こうかな」


私がことあるごとに通っている神社へと足を運んだ。

そこはひっそりとした穴場だが、森の中にあるため、境内が広く、何かしらあるといつもここに来ていた。


・・・あれ?前から人が歩いてくる。

結構知られてない穴場だと思ったんだけどな・・・


いちにぃさん・・・五人の青年。

この道、決して広いわけじゃないからなぁ・・・。

私は端に寄って歩き始めた。

みんな着ている服は高級品。

良家の方々かしら?

それにしては護衛がいなくて不自然だし・・・


歩いてゆくとどんどんと青年達と距離が縮んでゆく。

わ、綺麗…。

その青年達の瞳は皆、澄んで美しかったのだ。

中心にいるのは金の瞳の青年。その青年を囲むように、(くろ)、緋、白、蒼の瞳。

けれど、中心にいる金の瞳を持つ人はなぜか、笑顔を浮かべているものの、

とてもつまらなそうで、苦しそうに見えた。


森が静かに静かに、なっていく。


すると、

急にどこからともなくシャンシャン、と鈴の音がしてきた。

え・・・?

私とその青年たち以外いないはずのこの空間で鈴はずっと鳴り続ける。

しかし青年たちには聴こえていないのか、そのまま談笑しながら歩いている。

・・・いやだ、怖い!

胸にザワザワと何かが蠢く感じがする。

木々も騒ぎだし、しゃらしゃらと葉の擦れる音がする。


そして


ぽつ・・・

ポツポツポツ


と道の端に等間隔で並んでいた灯籠に灯りが点き始めたのだ。

そのまま灯りは私たちのいる中心へと向かって点いていく。

流石の青年たちもこれには気づき、訝しんだような顔をするとゆっくりと歩みの速さが落ちていく。

そして遅いものの歩みを止めなかった彼らが私とすれ違う直前


最後の灯りがつく


その瞬間全ての明かりは眩いまでに輝き出した。

五人の青年たちが揃って目を見開く。


そして私は


龍…!


私にしか見えぬ輝く金の鱗の龍はぐるりと青年たちを囲むように一周すると、

その中の金の瞳をした青年を螺旋状に取り巻いた。


そのまま龍は天に向かい一声叫ぶとすぅっと消えた。


龍が消えると灯篭の明かりや私の胸の喧騒も落ち着いていく。


しかし青年達はそうではなかった。

私を一斉に振り返ると、その中の金の人が、ガシッと私の手首を掴んだ。

驚きに目を見張る私に蒼の人はゆっくりと口を開く。


「ねぇ、君…さ」


それにかぶせるように金の人が震える声で言い放つ。


「お前…もしかして、番か…?」

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