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「あの……何でこんなに(こぎゃん)暑かとですか?」

 結局、光宙は北海道の市長選に出馬する事を選択した。

 「何も自分で選択せずに状況に流される事を選んだ」のを「選択」と呼べればだが。

 そして、一端、東京まで来て、市ヶ谷と共に北海道に行く事になった。

「いや……今年は、例年に比べて涼しい筈ですが」

「でも、九州より暑かですよ」

 今、光宙達が居るのは、二三区内だが山手線内ではない、と云う微妙な場所に有る、市ヶ谷の会社の本社の社長室だった。

「ところで、中馬(ちゅうま)さん、畑の方は……」

「ベトナムから来てくれている(と る)人達に任せとります。一番、古株の人が、今年で4年目ですんで」

「それは結構。じゃあ、必要なものが有るか確認しますね。まず、実印」

「有ります」

「写真入りの身分証」

「運転免許が有ります」

「戸籍謄本」

「取ってきました」

「住民票の写し」

「有ります」

 市ヶ谷から持って来るように言われたものは全て揃っていた。

「じゃあ、選挙事務所も、もう用意していますので」

「は……はぁ……」

「あ、それと、もう1つ変な事を頼んでいいですか?」

「何でしょう?」

「立候補する際は……『ちゅうま みつひろ』ではなく『なかま みつひろ』と名乗って下さい」

「はぁ?」

「名乗って下さい」

「いや、ですが……その……何で……ですか?」

「訳は後で話します。『なかま みつひろ』です」

「え……えっと……」

「『なかま みつひろ』です。いいですね?」

「は……はぁ……」

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