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 香典の筈が無かった。

 そもそも、この札束が入った封筒を置いていった相手が、光宙の父が半年ほど前に死んだ事を知っているかも怪しい。

 それでも、仏壇しか置くべき場所を思い付かなかった。

「社長さん。絶対に、おかしいですよ」

 ゴが、仏壇に置かれた封筒を虚ろな目で眺めている光宙に背後(うしろ)から声をかけた。

「そ……そりゃ、(おい)も変じゃと思うとるけどね……」

「なら、このお金を返しましょうよ。絶対にトラブルに巻き込まれますよ」

「返した方がいい(よか)()は判っとる」

「じゃあ、早く返しに行きましょうよ」

「でも、あの(あん)人の連絡先が判らん」

「えっ?」

「どうすりゃいい(よか)と思うね?」

「私にも判りませんよ。とりあえず、警察に行きましょう」

「い……いや……いくら考えても……犯罪になりそうな(こつ)が何1つ無か……」

「じゃあ、どうするんですか?」

「……しばらく、留守にするけん」

「本気ですか?」

「……い……いや……その……」

「社長さん、気が弱すぎますよ」

「でも……」

「考え直して下さい」

「でも、考え直しても、その後、どうすればいいか(どげんすりゃよかか)、さっぱり判らん」

「社長さん、優柔不断すぎます。でも、社長さんが判断を間違うと、私達も酷い目に遭うから……」

「いや、判っとるけど……どうすりゃええと思う?」

「そこが優柔不断なんです」

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