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「い……いや、あの、その……ちょっと……ちょっとだけ待ってもらえますか?」

 光宙は市ヶ谷にそう言った。

「いや、形だけですよ。形だけ」

「形だけと云って(ちゅ〜て)も……その……何かおかしくない(なか)ですか?」

「何がですか? 大丈夫ですよ」

「い……いや、九州に住んでる(どる)(おい)が北海道の市長選に出られる訳無いでしょ(なかでしょ)

「法律上は問題ありませんよ。選挙管理委員会にも確認しました」

「は……はぁ?」

「地方議会選挙の場合は、その地域に住民票がないと立候補出来ませんが……都道府県知事や市長・村長・町長なら日本国籍が有って、決った年齢より上なら立候補だけは出来ます」

「ですけど……」

「困ったなぁ……」

「はぁ?」

「いやね……東京の青年会議所に居た頃に世話になった人の頼みでしてねぇ……。中馬さんならと思って頼んだんですが……」

「あの……立候補って……いつからですか?」

「来週からです。その気が有るんでしたら、早めに戸籍謄本を取って、北海道に行く準備をしてて下さい」

「い……いや……でも……その……」

「お願いします。いやね、私の世話になった人が、どうしても誰かいい人を紹介してくれ、選挙費用は自分で出すから、って言ってるんで」

「い……いや……じゃあ、何で、その(そん)人が立候補せんとですか?」

「他に重要な仕事が有るので……」

「は……はぁ……」

「まぁ、考えといて下さい」

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