表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

【漫才】マサチューセッツ富田・本山

作者: WK2013

富田【ボケ】:それでボクの芸名から「マサチュー」をとると「せっつとんだ」。これ、JR京都線にある駅の名前なんです。

本山【ツッコミ】:で、ボクが「せっつもとやま」。これはJR神戸線の駅。それでは参りましょか!

富田:「京都線!」

本山:「神戸線!」

二人:「JR沿線ばなし~!」(拍手)

富田:...ほな、ボクからいこか。

本山:京都線やな。

富田:ボクの芸名にある摂津富田ですけど、ふつうは「とみた」って読みたなるでしょう?

本山:そうやね、知らはらへん人は、なかなか「とんだ」とは読めんな。

富田:それでな、「こんなんあかん。『とみた』って読まないかん」ゆうて。

本山:ほう。

富田:駅の看板とか全部上塗りして「とみた」って書きかえた奴がおったんやて。

本山:ひどいやっちゃなー。

富田:それで捕まったんや。

本山:そりゃそうやろう。

富田:「おまえ、『とんだ』ことしてくれたな」ってゆわれて。

本山:...それだけかいな?

富田:ほな、ちょっと大阪のほうへ行こか。

本山:どこへ行くんや。

富田:吹田駅。これもなかなか「すいた」とは読めない駅名ですけど。

本山:そうやね。

富田:で、吹田に着くと、京都のほうから来た電車も、大阪のほうから来た電車も、ドッとお客さんが降りるんですよ。

本山:それ...ひょっとして「電車ん中、すいた」いうんやないやろな?

富田:う~ん、やっぱりわかるか?

本山:わからいでか。ほな、ボクがいかせてもらうわ。

富田:神戸線やな。

本山:JR神戸線は、大阪市を抜けると、尼崎市、西宮市の順に通るんです。

富田:どっちも大きな街や。

本山:それがお隣さんやのに、尼崎と西宮、仲が悪いんですわ。

富田:仲が悪いて、どんなふうなん。

本山:「川向う論争」ゆうて。

富田:なんやそれ。

本山:尼崎と西宮の境に、武庫川っちゅう川が流れてますやろ。

富田:それで?

本山:武庫川はさんで「どっちが川向うか」ゆうて言い争ってますねん。

富田:へえ~。

本山:尼崎の人は「関西の中心は大阪や。大阪から見たら、お前らが川向うや!」ゆうんです。

富田:うーん、わからんでもないな。

本山:「俺ら、電話の市外局番も大阪といっしょで06やぞ。うらやましいやろ」ゆうてね。

富田:そりゃあ、西宮の人も黙っとらんやろ。

本山:そうそう。「なにゆうとんねんな。お前らも俺らも兵庫県や」

富田:そのとーり。

本山:「兵庫県の県庁所在地ゆうたら神戸市や。神戸から見たら、お前らが川向うや」ってね。

富田:なるほど、そうくるか。

本山:「市外局番06やて、お前ら大阪に魂売って、兵庫県民の誇りはないんか?」

富田:こりゃ、どないもこないもならんなあ。

本山:そんな言い合いを聞いてはった、上品なご婦人。

富田:ほう。

本山:これが西宮の西隣の芦屋からきた方で。

富田:芦屋のマダム、ちゅうやっちゃな。

本山:こうおっしゃるんや「あなたがた、いろいろおっしゃってますけれど」

富田:そんで?

本山:「私に言わせれば、『二十歩、三十歩』ですわ」

富田:なんやその「二十歩、三十歩」って?

本山:「『五十歩、百歩』の低レベル」

富田:あちゃ~、そりゃまた厳しいなあ。

本山:そうやろ。

富田:尼崎の人も西宮の人も、ずーと怒っとるやろ。

本山:なんでわかるねん。

富田:芦屋のマダムに言われただけに。

本山:言われただけに。

富田:「まだ、ムっ」としています。

本山:やめさせてもらうわ。

二人:どうも、ありがとうございました~。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ