3/11
撲の彼女は可愛い
僕の彼女はとても可愛い。
僕の彼女はいつまで経っても清楚でおしとやかで可愛い。
学校でも友達に羨ましがられ、女子からは勿体無いと言われる。
彼女は僕の自慢で、僕が良い男なのだと自信がつく象徴でもあった。
だがそんな彼女が突然、豹変した。
「ねぇ優くん。私、可愛くないよ」
いつも着ていた裾の長いワンピースではなく、太ももがばっちり見えるスカート。
長袖で腕は隠していたのに肩が空いている半そでのシャツ。
だが彼女はいつまでも可愛かった。
正直、清楚には少し呆ていたからだ。
「可愛いよ。僕、清楚な君も好きだけど派手な君も好きだよ」
そう言ってそっと抱きしめた。
そして彼女の胸に穴を空けた。
「優……くん?」
彼女は倒れた。
絶望に塗れた顔をし、僕のことを恨むように睨んでいた。
「可愛いよ。いつまで経っても、僕の彼女でいてね」
死んだ彼女を抱きしめ、そのまま家へと帰った。