星の銀貨1ドル120円
今日コーヒーを飲んだ後に急激な腹痛に襲われて、腹痛に襲われながらもトイレの中でこの話を書きました。
まだ痛いので、もう一つくらい書けそうです……
_(´ཀ`」 ∠)_
貧しくとも心優しい少女が一人おりました。
少女はボロ服を纏い、僅かなパンを手に、とぼとぼとあてもなく歩いておりました。
少女は泣いている女の子を見付けました。女の子は靴を片方無くして困っていたのです。少女は躊躇いなく自分の靴を脱ぎ、ボロ服で汚れを落とした後、女の子にそっと手渡しました。女の子が笑顔で帰ると、再び少女はとぼとぼと歩き出しました。
今度はお腹を押さえた男の子を見付けました。男の子はお腹を空かせていたのです。少女は躊躇いなく自分の持っていたパンをそっと手渡しました。男の子が笑顔で帰ると、またもや少女はとぼとぼと歩き出しました。
少女の前に服を着ていない少年が現れました。少年は住むところも無く、ゆく当てもなく立ち尽くしておりました。少女は躊躇いなく自分の服を脱ぎ、ほこりを叩いて少年にそっと着せてやりました。そして自分の家を教え、住まわせてあげる事にしました。少年が笑顔で歩き出すと、少女も笑顔で少年とは反対の方向へと歩き出しました。
少女は全てを失いましたが、それでも少女は笑顔でした。
夜になると、たくさんの星達とお月様が空にキラキラと輝きだしました。少女は木に寄りかかって空を眺めました。
夜空がこんなにも明るいのならば、私は悲しむ必要なんかありはしない。そう、少女は心に思いました。
たくさんの星達がキラキラと輝いています。
たくさんの星達がキラキラキラキラ、パシャパシャパシャパシャと輝いています。
「なに撮ってんだよ!!!!」
少女が怒鳴ると、たくさんの星達の輝きが、しゅんと消えました。そして、今度は銀色に輝く銀貨が少女に向かって飛んできました。
「足りねーよ!!!!」
一瞬、たくさんの星達がビクッと輝き、そして今度はたくさんの銀貨が飛んできました。
「テメーもだよ!!!!」
少女が月に向かって吠えました。月はその半月の目を細い三日月へと変えると、そっと銀貨を三枚投げました。
「見てんじゃねーよボケ!!!!」
少女が一喝すると、それまで明るかった夜空が、一瞬にして真っ暗になりました。たくさんの星達も、大きなお月様も見えなくなり、そして少女はたくさんの銀貨を抱えて服屋さんへ向かいました。
「普通の服を下さい……」
服屋さんは、裸の少女を見て驚きましたが、直ぐに少女に似合いそうな服を出してくれました。
「これで……」
少女が星の銀貨を二枚置きます。服屋さんはその銀貨を手に取り、そして一口囓りました。
「チョコやん」
──ガラッ!!
「クソボケーーーー!!!! 降りてこんかーーーーい!!!!」
少女の叫びが真っ暗な夜空に響き渡りました。