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夏のホラー2020

転生しようと思ったら、閻魔に怒られた件について

掲載日:2020/07/30

「聞いたか?あいつ死んだらしいよ」

「まじ?何で?」

 仲良しの二人。街をぶらつく。

「アニメ好きだったじゃん、あいつ」

「うん」

「特に転生もの」

「うん」

 信号が赤になる。交差点で立ち止まる。

 車が行き交う。

「中の人死んだから、俺も、とか言ってさ。転生する前にあの世で会ってくるって息巻いてた」

「それで?」

「電車に引かれて死んだ」

「ふーん、割とグロいね」

 信号が青に変わる。仲良しの二人はまた歩き始めた。


 そのころ地獄では、揉め事が起きていた。

「え、転生できないの?何で」

「ろくに働かないでゲームばっかりしてたじゃんお前、しかも税金払ってないし」

 閻魔大王はさらっと言い放った。

「じゃあせめて憧れの人に会わせてよ」

「あれがそうだけど」

 丸い火の玉を閻魔大王は指差した。

「え、何あれ」

「お前の好きな声優」

「まじかー」


 仲良し二人組は駅に到着した。

「いやあ、今日のオフ会楽しかったね」

「またやろうぜ」

「じゃあな」

 それぞれ上りと下りに乗り込んだ。

「あ、そう言えば、あいつ死んだのこの辺りか」

 急行電車はあっという間に通り過ぎる。

 ホームの人々は皆スマホや、友人とのお喋りに夢中だ。

 こうして人間が死んでも数日経てば何事もなかったかのように、日々の暮らしが取り戻されるのであった。


「せめて税金払っとけばよかったー」

 閻魔大王に摘ままれたきったない魂は、獄炎に投げ込まれて塵と化した。

「普通に考えて転生とかできるわけないじゃん」

 欠伸を噛み殺した閻魔は阿呆な人間を笑った。


閻魔が厳しいのがダメなんだからねッ



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― 新着の感想 ―
[良い点] 不思議で、面白い作品だなぁと思います。 アニメ好きの死んだ男の存在について、重たいはずの命なのに、なんだかとっても軽いように思えます。 事故現場付近でも、世の中は何事もなかったかのようにい…
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