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15話

 15話


 俺の【錬成変化】を生きている相手に使用した結果、様々なことがわかった。


 ・多くのMPを消費して、相手のスキルを抽出することができる。

 ・スキル抽出は複数回することができるが、使用すると著しく衰弱する。

 ・連続3回すると大抵は死ぬ。それ以上行なう場合には、一定時間の休息が必要。


 これがルールである。

 また、消費MPの量は相手の抵抗により変わるので、RMGのステータスが低いゴブリンだから、100前後のMPで成功するんだと思う。

 まぁスキルの直接抽出のルールは、追々検証していくことにする。


 だが、スキルが直接抽出できるようになった俺の行動方針は、――『多くの魔物を狩り、その死骸から【スキルの残滓】を得る』というものから――『魔物を捕獲し、【スキル珠】を抽出する』というものに変わった。


 そのために魔物の討伐数や経験値取得の速度は落ちたが、逆にスキルは充実するようになった。


「なるんだけどなぁ……」


 ゴブリンやコボルトからは、【建築Lv1】【狩猟Lv1】【指揮Lv2】【盾Lv2】【弓Lv1】のスキルを新しく手に入れた。

 多分、弓や盾は、ダンジョンから出てきた魔物が持っていたものを奪い、習得したのだろう。

 コボルトは、高い指揮力を持つので、獲物を追い詰めるので【指揮】や【狩猟】スキルがあるのは頷ける。

 そして、【建築】スキルは、どうやら穴掘りや寝床、住処を作るために生まれたようだ。


 それと、今まで見落としていたが、スライムを鑑定した結果、見落としていたスキルがあった。


 スライムからは【吸収同化】のスキル珠を抽出することができた。

 このスライムの【吸収同化】スキルは、ゴブリンの【性欲増強】と同じような種族固有のスキルのようだ。

 そして俺がそのスキルを取得した結果、【消化】というスキルに置き換わった。

 どうやら、身体構造的に無理なスキルは、その体に適したものに変わるのだろう。

 例えば【粘液分泌】スキルがあったら【発汗操作】とかに変わるのだろうか、ちょっと気になる。


 そして、ゴブリンを倒していればどうしても集まるのが【性欲増強】スキルである。

 正直、【性欲増強】スキルは現状要らない。

 だが、MGIのステータスは上げたい。

 そこで編み出した方法が、スキル珠やスキルの残滓の集約化とステータス抽出である。


 同種のスキル珠やスキルの残滓を一つに纏めることでレベルを纏めるのだ。

 そして、纏めたことで、【性欲増強】のスキル珠でのMGIのステータス上昇値が+20になっていた。

 それをステータス上昇部分を分離するように抽出した結果――


【ステータスの宝珠】――MGI+20上昇


 ステータスアップアイテムを手に入れた。

 そして、残ったのは、ステータス増強効果のない【性欲増強Lv4】のスキル珠である。

 他にも【悪臭】や【虚弱】などと行ったデメリットスキルからもステータス上昇の宝珠を作り出したが、残ったスキル珠だけが残ってしまう。


「うーん。どうするかなぁ。あっ、そういえば、道具に付与できるんだよな。うーん。それなら、とりあえず、アクセサリーかな」


【錬成変化】で作られたデメリットスキル付きの装備を相手に使えれば、こちらを優位にすることができるかもしれない。


 ゴブリンやコボルトを倒して集めた錆びた金属からコツコツと抽出した鉄を取り出す。

 それを【錬成変化】で形状を指定し、指輪と腕輪タイプのものを用意した。


「まぁ、とりあえず、指輪に付与してみるか――【錬成変化】」


 俺は、【性欲増強Lv4】のスキル珠を指輪に付与する。

 ただの変哲も無い指輪にスキル珠が吸収されていくが、特に見た目的な変化はない。


「どうなるんだ?」


 俺は、【鑑定】を発動して確かめる。


 性豪の指輪【装飾品】

 スキル【性欲増強Lv4】


「なんか、やばそうだな。けど、ちょっと付けてみよう」


 指輪をそっと指に嵌めた瞬間、体が徐々に熱くなり血が下半身に集まる感覚に、俺は慌てて指輪を外す。


「うおっ! なんだよ、これ……」


 バクバクと心臓が鳴っており、ムラムラとした余韻を感じる。

 一回抜いてスッキリとか、そういう気分なのに、体がそこまで成長していないために、余韻だけが無駄に残ってしまう。

 ただ、これはとても強力なアイテムである。


「あー、子作り必須アイテムかもなぁ。子作りに悩む王侯貴族に売りつけよう」


 俺は、高く売れそうだな、とほくそ笑み、デメリットスキルも使い方を変えれば有用であるなぁ、と思いながら、一旦封印するのだった。




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