35.ジェル、温泉に行く
それはまだ日陰に寒さが残る、春先のことでした。
ワタクシがリビングで紅茶を片手に、のんびりミステリー小説を読んでいると、兄のアレクサンドルが温泉の話をしてきたのです。
「友達が山奥で温泉旅館を経営してて、最近リニューアルしたらしいんだ。それで泊まりに来ないかって言われててさ」
「それはいいですね、行ってらっしゃい」
「いや、そうじゃなくてだな――」
ワタクシがさほど興味無さそうに返事したにも関わらず、アレクはまだ温泉の話を続けようとします。
もうちょっとで犯人がわかるところなので、できれば読書の邪魔はしないで欲しいんですがねぇ。
「せっかくだから、ジェルちゃんも一緒に行こうよ」
「え、ワタクシもですか?」
まさか誘われると思っていなかったので、少し驚きました。
「たまには都会の喧騒から離れて、ジャポネスクな人里離れた静かな村の温泉旅館でのんびりするのもいいんじゃねぇか?」
「そうですねぇ……」
経験上、彼がワタクシのことを「ジェルちゃん」と呼ぶときはロクでもない考えがあることが多いのですが、静かな村の温泉でのんびり、という言葉には少々心が動かされるものがあります。
読みかけの小説から目を離して、ワタクシがアレクの方を向いたことに気付いたのか、彼のマリンブルーの瞳が輝き、弁舌は勢いを増しました。
「なぁ、想像してみろ。うららかに晴れ渡る空と澄んだ空気。遠くから聴こえる野鳥のさえずり。美しい山の景色を見ながらスペシャルでラグジュアリーな露天風呂でリフレッシュされる自分を――」
「露天風呂でリフレッシュ……」
「そうだぞ。その後はベテランの板前さんが腕を振るったゴージャスな山の幸をおなかいっぱい食べよう!」
「山の幸……どんな物ですかねぇ?」
ペースに呑まれて、つい話に相槌を打ってしまうと、後はもう彼の独壇場です。
「あぁ、今の時期は山菜がイチオシだ。山菜の王様と言われるタラやフキノトウは天ぷらにすると美味いぞ!」
「へぇ、図鑑で見たことはありますが食べたことないですよ」
「じゃあ食ってみないとだな!」
アレクは勝手にうんうんと頷きます。
「あ、もちろん山の幸だけじゃないぞ。もし綺麗な渓流が近くにあればフレッシュな魚も食えるかもしれない。イワナやヤマメの塩焼きは最高だぞ! どうだ、興味あるだろう?」
「たまには、そういうのもいいかもしれませんねぇ」
「よし、決まりだ! 後はお兄ちゃんが手配するから楽しみにしてろ!」
こうしてワタクシは調子の良い言葉に乗せられて、一緒に温泉旅行に出かけることになったのでした。
翌週、アレクに案内されるがままに出発したのですが“人里離れた静かな村”と言っただけあって、温泉旅館はとんでもない山奥にありました。
「――はぁっ、新幹線で1時間半で、さらに電車とバスに乗り継いで2時間、そこからさらに徒歩30分……くっ、こんなことなら転送魔術で移動すれば楽だったのに」
「旅行ってのは移動も含めて旅行だからな。ほら、俺が荷物持つから頑張れ」
慣れない山道に息をはずませながら歩くワタクシに対し、アレクは普段となんら変わりない調子で答えます。
こういうところで体力の差を痛感させられるとは。少し悔しいです。
山を越えた先にあったのは、昔ながらの茅葺きの屋根が連なる小さな村でした。
「うわぁ……これはたしかにジャポネスクですねぇ」
「だろう?」
ワタクシがキョロキョロと物珍しく周囲を見回していると、村の奥から男性がやってきます。
ずいぶん時代錯誤な格好で、スズメの巣のようなモジャモジャ頭に灰色のお釜帽を被って、くたびれた感じの着物とよれよれの袴を身に着けていました。
男性はワタクシ達をまったく警戒する様子も無く、人懐っこい笑顔を浮かべて話しかけてきます。
「やぁ。今、着いたところですか?」
「おう、そうだよ。俺はアレクサンドル。こっちは弟のジェルマン」
「やぁやぁ、どうも。私は銀田一耕助です」
銀田一耕助……⁉
格好といい名前といい、ワタクシの知っている古い日本のミステリー小説の登場人物に微妙にそっくりなんですが、何か関係があるんでしょうか。
「あの。銀田一さんはこの村の人ですか?」
「いや、知り合いの紹介で来たんですよ。心身が疲れるような出来事が立て続けにあったもんで……この八つ墓鬼首獄門村でゆっくり静養したいと思いまして」
「よくそんな名前のところで静養しようなんて思いましたね」
銀田一と名乗る男性。不吉すぎる村の名前。
もしかしてワタクシ達は、山道を歩く内にミステリー小説の世界に迷い込んでしまったのではないでしょうか。
「どうしたジェル? やけに難しい顔して」
「いえ、なんでもないです」
さすがに考えすぎですかね。たまたま小説の世界とちょっと似ているだけのことで――
「あ、兵隊さんだ」
そう言ったアレクの視線の先には軍帽を深く被り、コートの襟を立てて顔を隠した男性がうろうろしていました。
「あー、復員兵ですね」
銀田一さんは、のんきな口調でそう答えました。
「誰なのかまったくわからないんですが、決まった時間に村を徘徊しているんですよ」
「不審者じゃないですか! 戦争が終わって何年経ってると思ってるんですか! 明らかに普通じゃないでしょう⁉」
「いやー、でも徘徊するだけで別に何かされるわけでもありませんから」
徘徊している時点で十分怪しいんですが。
しかし銀田一さんにとっては、それが何でもない日常風景らしいのです。
「さぁ、アレクサンドルさんにジェルマンさん。旅館に行くなら案内しますよ。着いていらっしゃい」
正直、狐につままれたような気分でしたが、そのまま彼に案内されて村の奥にある旅館へ向かうことになりました。
村は山に囲まれていて、まだ苗が植わっていない茶色い田んぼがたくさん広がっています。
のどかな風景に心を和ませていると、向こうから着物姿のとても美しい女性が3人、ゆっくりと連れ立って歩いて来るのが目に入りました。
素敵だなぁと見とれていると、すれ違いざまに彼女達がにっこり微笑んで会釈をしたものですから、思わず緊張して顔が熱くなってしまいました。
気恥ずかしくなってふと隣を見ると、アレクは彼女達のことをまったく見ておらず、なぜか田んぼの向こうを物珍しそうに見ています。
美しい女性よりも目を惹くものが、そこにあるというのでしょうか。
「すげー、区別つかねぇ……」
アレクの視線の先には、白髪で同じ着物を羽織って同じ顔をした老婆が2人並んで立っていました。双子かもしれません。
3人の美しい女性、双子の老婆――あぁ、何だか嫌な予感がします。何かとんでもない事件が起こるような……
一度気になりだすとなかなかそういう考えは消えないもので、歩いているうちにだんだん重苦しい気持ちになってしまいました。
「ねぇ、アレク。やっぱり帰りませんか? ワタクシ、なんだか不安で……」
「え、せっかく来たのに何言ってるんだよ。ほら、旅館に着いたぞ」
「あ、これが……」
到着した先にあったのは真新しい感じの立派な旅館で、看板には大きく筆文字で「玄武の湯」と書かれていました。
入り口のすぐ近くには池があって、大きな鯉がゆったりと泳いでいます。
「それじゃ、アレクサンドルさんにジェルマンさん。私はこれで失礼します」
銀田一さんは玄関の大きなガラス戸を開けて、先に旅館の中に入っていきました。おそらく彼はここに逗留しているのでしょう。
「ほら、俺たちも行くぞ」
「えぇ……」
旅館の中に入ると40代くらいの女将さんが出迎えてくれました。
「ようこそ、玄武の湯へ。あら、アレクさん! 来てくださったんですね」
「女将さん、久しぶり! ゲンちゃん元気にしてる?」
「えぇ。早速来ていただけたなんて、玄武も喜びますわ。そちらが弟さん? お話は聞いてますよ。さぁさぁ、こちらへどうぞ」
「はぁ、どうも。お世話になります……」
ワタクシ達は、2人で泊まるには少々広めの綺麗な和室に通され、お茶とお菓子を振舞われました。
普段は紅茶派のワタクシですが、日本茶もたまに飲むと美味しいものです。
「それじゃ、玄武を呼んできますので。少々お待ちくださいね」
女将さんは愛想よく微笑んで上品にお辞儀をすると、襖を閉めて部屋を出て行きました。
「――ねぇ、アレク。玄武の湯ってずいぶん仰々しい名前ですね」
「あー。玄武って亀のすげぇやつだよな、たしか」
「アレクらしい雑な認識ですねぇ。見た目はたしかに亀ですけど、玄武というのは中国の神話で北の方角を司る霊獣なのですよ」
「へぇ。ゲンちゃんやべえな」
アレクは語彙力の無い感想を述べると、おなかが空いているのかお茶請けに出されたお煎餅をバリバリと勢いよく食べています。
「その“ゲンちゃん”というのは、誰なんですか?」
「あぁ、まだ言ってなかったな。この旅館の一人息子だよ。もともとはゲンちゃんのオヤジさんの亀造さんが経営しててさ。名前も最初は『亀の湯』だったんだけど、ゲンちゃんが跡を継いだから『玄武の湯』にしたんだってさ」
「亀から霊獣にパワーアップしたんですね……」
そんなことを話していると「失礼します」と外から声がして、着物姿の小柄な若い男性が襖を開けました。
髪を短く整え、健康的に日焼けした顔は爽やかなスポーツマンといった感じの印象を受けます。
神妙な表情で入ってきて畳に手をつき丁寧に挨拶をした男性は、アレクを見て一気に顔をほころばせました。
「玄武の湯へようこそ、当旅館の主の玄武でございます……いやぁ、アレク! 久しぶりだなぁ!」
「あはは、ゲンちゃんも立派になったなぁ。跡を継いだって聞いてびっくりしたけど。着物似合ってるじゃねぇか!」
「まぁな。――そちらが弟さん? 母さんが女の人みたいに綺麗だってびっくりしてたよ」
「はぁ、ありがとうございます」
なんと返していいものかわかりかねて、小さな声でお礼を言って気まずさを隠すようにお茶をすすりました。
そんなワタクシを見て、アレクは主の玄武さんとの出会いを話し始めます。
「いつだっけかなぁ……お兄ちゃんさぁ、その日クジラを見たくて船でうろうろしてたんだけどな。そしたら無人島のはずの島の海岸でなぜか旗振ってるヤツがいて。それがゲンちゃんとの出会いだったんだ」
「ハハハ、あの時はアレクの船が通りがかってくれてラッキーだったなぁ~!」
玄武さんはそれを聞いて楽しそうに笑いました。なかなかアクティブな人物のようです。
「それでさぁ。近づいてよく見たら、旗じゃなくて木の棒にTシャツくくりつけてて。それをフルチンのゲンちゃんが鼻水たらして泣きながらブンブン振ってるんだよ。見た瞬間、大爆笑だったわ!」
「おいおい、ひでぇなアレク。これでもこっちは真剣だったんだぞ。遭難して生きるか死ぬかの瀬戸際だったんだから」
「そりゃそうだよな! ハハハハハ!」
2人はまるでお酒でも入っているかのように豪快に笑っています。
なるほど、ずいぶん親しげだと思ったら、玄武さんにとってアレクは恩人だったというわけなのですね。
「――それじゃ、そろそろ仕事があるんでまた後でな。ゆっくりしていってくれ」
玄武さんは立ち上がって襖に手をかけました。
「おう、ありがとうな!」
「ありがとうございます」
「あぁ、言い忘れてた……」
彼は急に真剣な顔になり、ワタクシ達に警告したのです。
「今夜、誰かがころされ…………いや、なんでもない。いいか、戸締りはしっかりして寝るんだぞ」
「あ、あぁ……」
「――それじゃあな」
今夜誰かがころされ……殺され⁉
まさか、そんな。
不気味な警告を聞いたせいで、さっきまでの明るい空気が一転して重いものになりました。
アレクはそんな空気を吹き飛ばすかのように努めて明るい調子で、ワタクシの肩をポンと軽く叩いて、立ち上がります。
「よーし、それじゃ温泉にでも行くか!」
「え……」
「きっと俺達疲れてるんだよ。風呂に入ってさっぱりすれば元気もでるって!」
「だといいんですが……」
なんとなく不安を抱えたまま、ワタクシ達は露天風呂へと向かいました。
外では不吉なことにギャアギャアとよく聞き慣れた鳥の騒ぐ声がしています。
「おお、さすが山奥の温泉だ。野鳥のさえずりが聞こえる」
「いえ、ただのカラスですが」
「野鳥には違いないだろ」
ワタクシはどんよりした気持ちになりながらも、温泉に浸かりました。お湯がほどよい温かさで心地よかったのが、せめてもの慰めです。
浴衣に着替えて部屋に戻ると豪華な食事が並んでいました。たぶん玄武さんのご厚意なのでしょう。
「うわぁ……すごい!」
山の幸だけでなく、豪華なお刺身や霜降り牛肉のすき焼きなどが食べきれないくらい用意されています。
気持ちが沈んでいる状況ではありますが、やはり豪華な食事はこの旅行の楽しみでしたので、少し気分が持ち直しました。
「いえーい! 飯だ飯だ! お、ビールもよく冷えてるな」
「これは楽しみですね。いただきます!」
喜び勇んで箸に手を伸ばした瞬間、部屋の電気が消えて辺りは暗闇に包まれました。
「ん、停電か?」
「あっ……」
真っ暗闇の中、どこからともなくフルートの音色が聴こえてきます。
そのメロディは不快感を引き起こすような不自然な旋律に感じられ、ワタクシはあまりの不気味さに言葉を失いました。
「なんだ、この音?」
「……フルートです」
「なんでこんな時にフルート吹いてるやつがいるんだ?」
「知りませんよ!」
ワタクシが泣きそうな声でそう返した瞬間、部屋の明かりが復旧してフルートの音もしなくなりました。
「なんだったんでしょうか……」
周囲を見渡しても何も変わった様子もなく、窓の外を見ても山があるだけなので真っ暗で何も見えません。
仕方無いので再び箸に手をつけ、釈然としない気持ちのまま料理を食べ始めました。
次々と口にご馳走を放り込んで美味い美味いとはしゃぐアレクに対して、ワタクシはあまり箸がすすまなかったのは言うまでもありません。
そして翌朝。とうとう事件がおきてしまったのです。
「ふぁぁぁ~、あー、よく寝た。――どうした? なんか疲れた顔してんな」
「えぇ、眠れなかったもので……」
「枕が変わると眠れないってやつか?」
「まぁそうですかね。どこでも眠れるアレクが羨ましいですよ」
神経が図太いのかわかりませんが、きっと彼はワタクシがどうして怯えていたかなどちっとも理解していないのでしょう。
「そうむくれるなよ。ほら、そこに紅茶があるから飲むといいぞ」
彼は部屋に備え付けの小さな冷蔵庫の隣にある棚を指差しました。
「おや、緑茶じゃないんですか?」
「あぁ。インスタントだけど棚の中に紅茶もコーヒーもあったわ」
棚の中にあったカップにミルクティの粉末を入れてお湯を注ぐと、すぐに紅茶の上品な香りが漂います。
「へぇ、粉の紅茶なんて初めて飲みましたが、ちゃんと紅茶の味と香りがするんですねぇ」
ワタクシが感心していますと、廊下の方でなにやら誰かが騒いでいるような声がしました。
「大変だ! 人殺しだー!!!!」
――えっ、人殺し⁉
慌ててカップをテーブルに置いて浴衣姿のまま廊下へ飛び出すと、よれよれの袴姿が目に入りました。
「あれは銀田一さん……!」
彼は玄関の方へと走っていきます。ワタクシがアレクを連れて彼の後を追いかけると、そこには異様な光景が広がっていました。
旅館のすぐそばにある池。そこから若い男性のものと思われる両足がにゅーっと、突き出ていたのです!
「あ、ぁ…………」
驚きのあまりワタクシはそれ以上、声を発することができませんでした。
もしかして、あれは玄武さんの――いや、まさか。
もっとよく見ようと足を前に踏み出した途端、なんだか頭がクラクラしてきて――え、もしかして、さっきの紅茶に毒が?
だとしたら、次はアレクが危ない……⁉
「あれく、にげ……て」
そこでワタクシの意識は途切れてしまったのです。
目が覚めるとワタクシは旅館の大広間で布団に寝かされていて、目の前には心配そうにそれを見守る、アレクと玄武さんと女将と銀田一さんと三人の美女と双子の老婆と復員兵の姿がありました。
「どんだけ大集合してるんですか!」
思わず大声をあげて飛び起きると、皆「おお、気が付きなさった」「よかったよかった」などと口々に安堵の言葉を述べています。
「いったい何がなんだか……そうだ、殺人事件はどうなったんですか⁉」
ワタクシの問いに対し、アレクは畳に両手をついて土下座しました。
「すまん、ジェル。俺が悪かった。実は事件なんて起きてなかったんだよ!」
「でも、池の中から男性の足が出てましたよ! それに人殺しだーって声もしたし……」
納得のいかない様子のワタクシを見て、玄武さんが観念したように口を開きました。
「弟さんは何もご存知じゃなかったようですが、うちは名作ミステリーをモチーフにしたテーマパークでしてね。だからあの足は作り物なんですよ」
「え、ミステリーのテーマパーク⁉」
「えぇ、今はまだオープン前の段階でして。そこでアレクを招待したら『読書好きの弟へのサプライズで貸切にしてミステリーの世界を楽しませてやりたい』と頼まれたんですよ。でもまさかこんなことになるとは……」
玄武さんの話に同調するかのように、周囲の人達もうんうんと頷いています。
――なんということでしょう。
この山奥の村はテーマパークで、玄武さんや女将、銀田一さんと三人の美女と双子の老婆と復員兵にいたるまで、皆スタッフだったということですか。
「あの足はさ、決まった時間になると池からザバーッって出てきて、一緒に記念撮影できるフォトスポットなんだよ。だからそこでジェルにネタばらしするつもりだったんだけど……」
アレクは叱られた犬のように、しょんぼりとうな垂れています。
「ごめんなジェル。まさかぶっ倒れちまうなんて思わなかったんだ」
「ワタクシ、てっきり毒を盛られて倒れたのかと……」
「たぶん疲れてたんじゃねぇか? 山奥歩き回ったくせにあんまり寝て無かったし」
言われてみれば確かにそうかもしれません。
肉体的疲労と精神的疲労がピークに達したところであんな物騒な物を見たせいで、気を失ってしまったのでしょう。
蓋をあけてみればなーんだ、という感じですが、あの時は本当に恐ろしかったのです。
それから改めてワタクシ達はテーマパークを見て回り、池で作り物の足と一緒に写真を撮って、温泉に入りご馳走を食べて楽しく過ごしました。
「まったく。アレクのせいでとんでもない旅行になってしまいましたよ」
でも事件が本当に起きたわけじゃなくてよかった、とワタクシは苦笑したのでした。




