24話 元魔王、勇者?に会う
二日酔いで酷いなか、俺はポミアンに連れられ客間へ寝巻のまま向かった。
「だから! あたしは貴方たちに用なんかないんです!」
「そ、そういわれてもヒロちゃん……」
「ねえ、ホントに下の名前で呼ばないでよ。馴れ馴れしいんだから」
どうやら本田と誰かが言い合ってるみたいだが、
「ううう……うるせえなあ」
「あ、ゲルオさんおはようございます」
「ゲルオさん、おはようです」
「おう、ってあれ?」
「ん? なんですか?」
「いや、なんでもない」
何故か昨日のエルフがいるがもう面倒なのでスルーしよう。
「おはようさん。ミズモ」
「はい、ゲルオさん大丈夫です? 顔色が……」
「平気だ、あんがとなミズモ」
そういってミズモを撫でてやる。
ヒンヤリしてて何か気分が少し楽になった。
「で、さっきから何処のバカだ? 人の家でうるせえんだよ」
「……ワタクシの家ですけど」
「ああ、ゲルオさんごめんなさい。何かいきなり押しかけて来たんですよ?」
「ふうん、あんた等何なの?」
「む、貴方が家主ですか?」
「ああそうだ」
「ちょっ!?」
ポミアン、悪いがここは抑えてくれ!
「単刀直入に言います」
「嫌です」
「本田さんを――」
「だから嫌ですって。帰れやおらあ!!」
「――こち、ってえええ!?」
マジで頭痛いんだよ! まともに思考できないの!?
「流石はゲルオさんです! そう言う事なんで、皆今日は帰ってください!」
「そ、そんなヒロちゃん! せっかく会えたのに!」
「そうだぜ! リョウタの奴お前を必死で!」
「頼んでいないですから。ホントこれ以上はキモイんで帰ってください」
「なっ!? 貴女仮にもクラスメートにむかって……っ!?」
「はいはい、もう今日はあたしも朝から気分も機嫌も悪いんです。明日来てください」
「あ、明日はちゃんと話してくれるのか?」
「さあ、それは明日のあたしに聞いてください」
いいぞ本田! 流石はエアコン機能の壊れた女!
普通ここまで必死に頼んでる奴をバッサリ断れねえぞ。
「というわけなんで、ヒロも今日はこんなん何でお帰り下さい」
何故かエルフがやんわりと協力してくれた。
え、アイツ仲間なの?
「うう、わかりました。さあ、皆いこう」
「……本田さん! 絶対に明日は逃がさないんだから」
「ほら、行こうぜ」
ゾロゾロ……
そういって総勢18人の自称勇者達は帰っていった。
「あ、ありがとね。リリア」
「ふん、昨日はあれだけ付き合ってもらったからね」
あれ、何コイツ等。なんで仲良くなってるの?
「ていうかあんなに居たのか……」
あれだけいて3人しか喋んないとか、勇者の癖にモブかよお前らは?
「さってと、本田」
「あ、えと、そのぉ」
「まあ、色々お前にもあるのは知ってる」
「……はい」
「あ、ゲルオさん。別にヒロは――」
「でも、今は寝かしてくれぇ頼む!」
「――て聞かないんかい!」
「……ふふ、やっぱりあたしは此処がいいです」
「あん? なにかいった?」
「いいえ、あたしも昨日は夜更かししたんで、眠たいなと思いまして!」
「おお、寝ろねろ。金の心配も今はないし、今日はゆっくりしようぜ」
「……はあ、ワタクシも今日は寝て様かしら」
「あっ! せっかくですし皆でパジャマパーティしません?」
「あ、いいわね。ヒロの部屋にする?」
「カタカタ!」
「うう、ワタクシは遠慮するわ……」
「そういわずにポミアンさんも!」
「ね、いきましょう」
「う、ううう」
「カタカタッ!」
「あ、アロマさん!?」
そうしてドタドタと女子達は去っていった。
「……」
「……行っちゃったですね」
「ああ、ち、因みにミズモって……」
「ボクには性別ないですけど?」
「そ、そうか……い、いっしょに寝るか?」
「え、えっと……あっ」
その一言と共にミズモは姿を消してしまった。
「ポミアンめ、引き寄せやがったか……」
……べ、別に寂しくなんかないもんね!
さて、今度こそゆっくりと寝るか。
――――
――
あれからもう正午になったんだが……
「ううう、寝れん」
頭が痛すぎてねれないよぉ
「げ、ゲルオ! いるかあ!!」
「……今度は何だよ」
「む、空いてるな。失礼するぞ!」
どうやら声からしてボンみたいだな?
俺はどうせ寝れないので渋々、玄関まで出て行った。
「おお、ゲルオ。ほかの皆は?」
「ああ、今は女子会してるよ」
「そうか、それよりゲルオ酷いじゃないか!?」
「な、何だよ急に?」
「緊急クエストに参加してたなんて、言ってくれれば僕も参加したのに!!」
ああ、正直最初からそんなのあると分かってたら無理にでも連れてったんだがな。
「すまんな。まあ、代わりに次はお前を優先するから」
「ほ、ホントか?」
「ああ、だから今日は」
「じゃあ早速で悪いがすぐに着替えてきてくれ」
「いや、だけど今日は……」
「ゲルオの為に何とついてくるだけで60万Gのクエストを受けようとおもうんだ! どうだ!」
「6、60万だと……」
ちょっと待て、破格すぎないか?
「しかも僕とお前だけだからな! ひとり頭30万Gだ!」
「く、くうう。それって今日まで?」
「ああ、残念だけど今日までだな」
「どうする、どうする」
どうしてだ、どうして今日に限って!
「しかも状況によってはボーナスもつくんだけど」
「な、なに!」
「どうも、かなり羽振りのいい依頼主でね。その道案内をしたりサポートをするだけでいいんだってさ!」
ううん、まあどうせ寝れなかったしなぁ
「せ、せめてアロマを連れて行っていいか?」
「ああ、むしろ歓迎さ!」
「し、仕方ない。こんなチャンスそうそうないよな!」
「ああ、そうそうないぞ!」
「あ、アロマぁああああ!! きてくれぇえええ!!」
「……ゲルオ、君ってホントに最高だよ」
――――
――
――――「闇の囁き亭」
「では、此方が今回同行してもらいます勇者の方々です。失礼のないように! 特にゲルオ」
「あ、ああ」
「ご依頼された通り、ボン様とこの荷物運びはベヘモットのいる『巨獣の魔窟』をたった3人で切り抜けた方ですから。安心して道案内をしてくれますよ」
「そ、そうですか」
「では、宜しくな! 勇者諸君!」
「え、ああはい」
元気よくボンは挨拶するが、その相手は引きつっている。
それもそのはず、
「あの、朝あった人ですよね?」
「……」
「カタカタ?」
依頼主は自称勇者共だった。




