表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
砂漠化する世界でオアシスを創る  作者: 地下水
第三章 砂漠の王国
41/43

姉妹!?

 30分ほどミリーと話した。自分が異世界人であることを主張しても覆られなかった。

 もうどうとでもなれと思い、ミドリは19歳にして結婚することになった。

 

 「転んでもただでは起きないぞ」

 「な に か 言 っ た ?」

 「気のせいです」

 

 あれからミリーはミドリの傍に張り付き離れない。くすぐったい。もう日本に帰れないと思うし、この地を第二の故郷と思うことにする。日本に帰ってもやりたいことなんてなかった。だがこちらの世界では、オアシスを自由自在に創り出す魔法を使える。水が人命より貴重の中、ミドリの魔法はまさに神の如き力といっても過言ではないと思う。砂漠に自分の国を作って好き勝手に生きてやるさ。

 ミドリは「幼妻」を手に入れた。ミリーを一言で表すなら愛くるしい少女。ミリーは可愛い。今も隣でポテチを食べながら、オアシスを満喫してるようだ。


 「ミリー姉様本気なのですか?こ、こいつと結婚するなんて」

 「うん」

 

 ミリーの妹のレニーは唖然とした表情をしていた。

 ミドリのタイプはどっちかというと妹のレニーの方だった。姉のミリーは「土の魔法」が使えるようになったので、老化しなくなり幼い姿のままである。

 しかし、妹のレニーは違う。魔法が使えないので普通に成長している。ミドリとより1歳くらい年下なのに……胸がでかく、少しばかりキツい目つきをしている。長い銀髪を靡かせ……なにより物凄く美人なのだ。

 

 「レニーさん?」

 「なんだ?ミドリ。私はお姉さまと話している。邪魔をしないで」

 「まあ、まあ落ち着いてください。遠くから来たのでしょう?お腹も減って、喉も乾いていると思います。遠慮なく、『ポテチ』と『レモン水』(名称を彼女らに分かりやすいように変えた)を食べて、飲んでください」

 「ふん、気が利くのね。いいわ、そこまで言うなら食べてあげる」

 

 ミリーがこれはわたしのものと抗議の声をあげるが、ミドリがまた作ってあげると言ったら大人しくなった。


 「ささ、どうぞ」

 

 レニーは小さな口を開ける。恐る恐るといった感じでポテチを口に入れる。


 「……ン……ア……」

 

 なぜか色っぽい声を出すレニー。彼女のソプラノの声は良く響く。


 「『レモン水』もどうぞ」

 

 コクンと可愛く頷き、木のコップから『レモン水』を一気に飲み干す。余程喉が渇いていたみたいだった。


 「どうですか?」

 「美味しい……あっ……今のは無――」


 レニーに全部の言葉を言わせない。


 「今、レニーさんは美味しいと言いましたね。ミドリの家に来て、僕の料理を食べた。美味しいと返事をした。これでレニーさんも僕と結婚することになりましたね」

 「知らない。知らない。そんな事言ってない」


 顔を真っ赤にして否定している。今にも腰にある剣を引き抜きそうな迫力がある。


 「ミリー、この世界では一夫多妻制はありますか?」

 「あるの。王族や貴族に限らず、庶民でも養うだけの経済力があれば何人も娶る人もいるの」


 ミリーでいいと言われた。本当はミドリより年上だけど結婚するからいいらしい。


 「なら問題ありませんね」

 「ねー」

 

 何が嬉しいのか笑顔になったミリー。


 「私が問題ある。だ、誰がお前、ミドリ何かとけ、結婚なんてするかー」

 「でも、この世界の文化なんでしょう。男の家に入り込んで、手料理を食べた。その返事に美味しいと返事をした。それは求婚を了承したことになるという」

 「む、でも!」

 「これで一緒なの」


 ミリーの複雑な表情をレニーとミドリは何とも言えない空気になる。そうか、彼女ミリーは周りが成長していくなかで、ずっと停滞していた。妹が自分より成長していたのを――


 「ミリー姉様……って、誤魔化されませんよ」

 「あれを」


 ミリーが指さす方向を見る。何とモンブラン(白金の飛竜ワイバーンとミリーが乗ってきた白金の飛竜ワイバーンが求婚の仕草をしていた。『希少種』のワイバーンは非常に数が少ない。そもそも希少種は知能が高く、他の飛竜ワイバーンより大型で狂暴である。人間如きが使役できるものではない。普通は……。


 「どうします?」

 「大変目出度いの。わたしのワイバーンの名前はビュラエ。ミドリのは?」

 「モンブランですが」


 まさかここ子作りするつもりはないだろうな。ワイバーンの生態はよく分からない。オアシスには子供もいる。教育によくないと思い、慌てて、2頭の希少種の飛竜ワイバーンを別のオアシスに「転移」させた。


 「ミドリ。これはどういう事ですか?」


 一仕事終えたミドリを迎えたのはラクダのクリスだった。

 この世界のミドリの相棒。しゃべるラクダ。自分を人間だと思っている?

 

 「ん?何が」

 「僕という者がいながら結婚なんて絶対許さないです」

 

 クリスの声は、少年の声変わり前のような声。


 「は?クリスはラクダだろ?そして、男だ」

 「やだ、やだ。僕を置いてかないでー」


 クリスを捨てるつもりはないのだが。何か勘違いしている。


 「クリス」

 「謝ってもゆるしません」

 「ミリー達が乗ってきたラクダに可愛い子がいるんじゃないかな?」 

 「あー。あの子は僕に相応しい毛並みをしてます」

 

 クリスはオアシスで休んでいるラクダの群れに突進していった。

 たくましいやつだ。以前別れた別の子の事はもう忘れているな。


 転んでもただでは起きない。

 ミドリは幼妻と、その妹のレニーと結婚することになった。

 ミドリの国とレニーたちの従者は喜んでくれていた。

 ただ、ザコーだけは羨ましそうな顔をしていた。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ