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砂漠化する世界でオアシスを創る  作者: 地下水
第一章 砂漠のオアシス
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蜃気楼

 大声で叫んだことにより余計に体力を消耗してしまった。

 助けを待ってるだけでは駄目だ。見渡す限り砂漠で、俺以外のヒトの姿は確認できない。自分で動かない限り、絶体絶命の状況から脱出することはできそうにない。

 まずは冷静になろう。

 深く深呼吸をして次第に落ち着いてきた。

 

 成人男性が一日に必要な水分はおよそ2ℓだったはず。この炎天下の中、汗が出る量も通常より多いので、2ℓ以上の水分が必要なはずだ。

 そして、水を一切飲まないで生存可能日数は…一週間以内。砂漠地帯の高い気温と慣れない気候を考えれば、3日くらいしか猶予は残されていない。


 しまは大地を照らす太陽を睨む。砂は砂時計の中身みたいにさらさらしている。足元の砂を手で掘る。砂を掘るコツを掴みどんどん掘り進める。1mメートル以上の穴を掘ることができたが、体を動かしたために汗が大量に出た。

 1m掘った穴へ慎重に入った。少し涼しくなったような気がする。日本でランニングをして体力を消費した。砂漠に着いてからは何時間と歩いて疲れ果てていたので、涼しい空間が居心地がよくてすぐに寝てしまった。


 「寒っ!!」


 あまりの寒さに目が覚めた。

 一瞬、自分がどこにいるか分からず混乱した。


 「そうだ…暑かったので砂の穴を掘って、その中で寝てしまったのか。それにしても寒いな」


 今は日が沈み夜になったようだ。昼間と夜の気温の差が激しい。昼は暑く、夜は寒い。

 仰向けに寝ていたので満天の星空が見える。


 「美しい…あ、星座!」


 日本では決して見ることができないだろう、美しい星空の光景に目を奪われる。

 昔、星座で現在位置がおおよそ分かると本で目にしたこがある。

 星座で現在位置を確認しようとしたがそもそも星座の知識がない。

 夏の大三角くらいしか知らなかった。こんな事ならもっと勉強すればよかった。

 それにしても、見たことないような星が多いのは気のせいか?


 その後、寒さを何とか乗り越え、日がようやく昇り朝を迎えた。


 「暑い、暑い、暑い」


 ひたすら水を求めて暑い砂漠を彷徨う。

 走ると余計に体力を使うので歩いた方が効率がいい。

 

 「雨、降らないかな?」


 空を見上げても雲一つない。駄目みたいだ。

 もう限界だと思いながら、ふらつきながら歩いてると、遥か前方に水がぼやけて見えてきた。

 大きさは学校のプール程で周りに木もある。

 まさか…オアシス?

 オアシス…砂漠等の乾燥地帯に突如現れる淡水がある場所だ。人がいるかもしれない。


 都合よくオアシスが現れるものか?自分が見ている光景が信じられない。

 

 「まさか…蜃気楼しんきろうか?」

 

 あまりの暑さで頭がおかしくなり、水が飲みたい一心で俺はオアシスの幻覚を見たのだろうか?

 何はともあれ、前へ進むしかない。島はオアシスに向かって走り出した。



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