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最強無敵のユーミルファナー  作者: 王国民
1章 英雄誕生
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世間知らずのレオンハルト

寒さの続く冬の日、皆様いかが御過ごしでしょうか?

 それからというもの、レオンハルトとフィーリアは魔法についての勉強に励んだ。

 2人の母親を教師にして、古代魔法文字を覚えることから始め、魔方陣の勉強、魔力操作の練習、魔力変換の練習をする。

 様々な魔法書を読んで、魔法使いの物語まで読み込んだ。


「レオ君レオ君! この文字はなんて読むの?」


 豪華な子ども部屋にフィーリアの声が上がる。本人はピーンと手を挙げ、キラキラした瞳でレオンハルトを見ている。

 2人は高そうな樫の机を並べて自主勉強中だ。可愛いヌイグルミや明るい色のカーテンに似合わない重厚な机が似合わない。勉強の時だけフィーリアの部屋に運び込まれる。


 現在は古代魔法文字で書かれている、呪文の勉強をしていた。

 神聖魔法の呪文が解らないと、フィーリアがレオンハルトに教えを請う。


「えーと……これは、われ神にねがう。傷つきし()のものに、いやしのお力を。ヒールって書いてあるぞ?」


 神聖魔法の初級回復呪文だ。6歳児だが、レオンハルトは既に古代魔法文字を全て覚えていた。普通の文字は覚えていないが。


「これでかみさまって読むんだ!? ここはキズ? レオ君スゴいよ~!」


 嬉しさと尊敬が混じった視線を向け、レオンハルトの首に抱き付く。

 フィーリアはレオンハルトにくっ付くのが大好きだ。暇さえ有れば抱き付いている。


「リア、くすぐったいぞ?」


 レオンハルトはまだ子どもだが、フィーリアを守ることを心に決めていた。

 恥ずかしくて嫌そうな顔をしているが、本当はフィーリアのことが大好きだった。


「レオ君、ここもおしえて? レオ君は剣のれんしゅうで大ケガするから、スゴい回ふくまほうをおぼえるの!」


 いつもレオンハルトが怪我をすると、母親のエステルに頼んで回復して貰う。

 だがフィーリアは、剣術の訓練を頑張るレオンハルトを、自分で回復してあげたいのだ。

 お互いに、相手のために頑張ると密かに決めているようだ。フィーリアは隠せていないが。


 2人で勉強を続けていると、コンコンとノックの音がしてエステルとメイドたちが入ってきた。


「2人とも~、そろそろオヤツにしない? ママ退屈なのよ~」


 相変わらず弛い顔でニコニコしている。


「もう、ママ~! レオ君と2人きりなのに」


「ごめんね~? ママもレオ君と話したいのよ。リアだけズルいわ~」


 男の子が欲しかっただけあって、エステルはレオンハルトを可愛いがっている。

 娘との仲も良いのだが、レオンハルトのことでは揉める。

 メイドたちが机の上の本を片付けると、紅茶とフルーツのたっぷり載ったケーキを並べる。

 リアの膨れっ面も笑顔に変える武器の1つだ。最終兵器はレオンハルトがほっぺにキスだ。

 メイドたちが後ろに控えると、エステルが口を開いた。


「さ、食べましょう。レオ君もいっぱいたべてね~?」


 レオンハルトの頭を撫で回したあと、両手で頬杖を突いて満面の笑顔で食べるところを見ている。


「ママはさわったらダメなの!」


 それを見てフィーリアがレオンハルトを引き寄せる。


「いいじゃないの~。未来の息子なのよ? ……そうだ! 明日にでもお買い物に連れて行くから」


 機嫌を取るように買い物に連れて行くことを告げた途端に、フィーリアの機嫌が直った。


「やった~! かわいいおようふく買って」


 さっそくおねだりをする。小さくても女の子は買い物が好きだ。


「ねえエステルさん。買い物って何なの?」


「へ? 買い物は買い物だけど? ……あっ、そっか~。レオ君は買い物に行ったことなかったのね~? あとあたしのことは、お義母さんって呼んでって言ってるのに~」


 裕福な家なので自分で買い物に行かなくても、商人のほうからやって来る。

 そのせいでレオンハルトはお金すら知らないのだった。

 それを聞いたエステルは考え込んでいる。


「もう~。セレスったら魔法ばっかりで他のことを教えてないのね~。困った子だわ」


 レオンハルトとフィーリアの両親は同じ街の出身なので、子どもの頃から知っている。

 だからか、大人になった現在(いま)でも、妹のような感覚で接してしまう。


「よ~し。明日はメイドを連れて2人でお買い物に行ってきなさいね? 初めてのおつかいよ~」


 勉強のためにとメイドを付け、2人で行かせることにしたらしい。もっとも、コッソリ護衛を付けるのだが。


「じゃあ、ピアがいい!」


「リアもピアさんダイスキ!」


 お似合いですよ、と言ってくれるのでフィーリアもピアが大好きなのである。


「決まりね~。しっかり社会勉強をしてくるのよ~?」


 ケーキを食べ終えた2人は勉強を再開する。今度はエステルが教えたがったのでフィーリアがよく拗ねた。


「2人ともスゴいわ! 特にレオ君は天才ね~、教えたことを自分で工夫するなんて」


「そうでしょママ? レオ君はスゴいんだよ? えへへ~」


 驚きに目を丸くする母を見て、嬉しそうな笑顔で、自分のことのように誇らしげなフィーリア。

 そんな2人を幸せそうに見つめるエステルとメイドたち。今日の勉強は穏やかな笑顔に包まれて終わった。

作者は楽しみにしているエロゲーの発売が近付いてワクワクしております。

更新は頑張りますが、もし滞ったらエロゲーが忙しいんだなと思って下さいますよう。

追信 発売日は2月27日です。ソフ○ハウスキャラ様のゲームです。

中毒性があるメーカーなので、繰り返しプレイするでしょうね。更新は頑張ります。

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