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最強無敵のユーミルファナー  作者: 王国民
1章 英雄誕生
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ダレンと勝負

 カンッカンッと木剣を打ち合う音が屋敷の訓練場に響く。

 学校に通うことが決まってからレオンハルトはますます頑張り、暇を見付けては屋敷の警備係と試合をした。

 現在は自分の護衛で、現役冒険者のダレンと勝負中だ。

 ダレンは中堅の冒険者で、剛剣のダレンの二つ名を持っている。子どもが戦える相手ではない。


 数メートルの距離を瞬時に詰めて、掬い上げるような一撃をダレンの顔を目掛けて繰り出す。

 その速い打ち込みをギリギリで受ける。

 レオンハルトの背が小さく、かなり近い場所から顔を目掛けて繰り出すので受けにくいのだ。

 近付き過ぎると剣が振れないので、絶妙な間合いで攻めてくると言える。


 そのまま2時間は試合が続き、お互いの疲労が限界に達したのか、(すき)(うかが)っている。

 荒い呼吸を整えると、最後の一撃を放つために構えた。

 ダレンは剛剣の名に相応しく、大上段に木剣を掲げ、レオンハルトは居合い抜きのように腰溜(こしだ)めに構えた。

 勢いを付けるために、左手で木剣を力いっぱい握っている。


「若、いきますよ? 俺の渾身の一撃です」


 3歳の頃から剣を合わせてきたレオンハルトの成長を喜び、最近は全力で相手をしていた。


「いいよ。僕だって全力だ!」


「「はあァァァァァァァ」」


 気合いの声と同時に、2人とも自分の間合いに踏み出す。


 レオンハルトに上段からの打ち下ろしが迫る。その速度は(はた)で見ていたフィーリアの目には追えなかった。


 その剣に合わせて、レオンハルトが斜めに斬り上げた。

 2人の木剣が当たる瞬間、レオンハルトが身体を斜め前にずらした。

 ダレンの顔が驚愕の色に染まる。

 木剣が(かわ)され、自分の身体に衝撃が走ったところで、ダレンの意識は途切れた。



「ぐっ、いててて………………あちゃ~若に負けた」


 目を覚ましたダレンが見たのは、屋敷にある自分の部屋の天井だった。

 負けたわりには嬉しそうに笑みがこぼれている。


「6歳の子どものパワーじゃないな。巨人系の魔物に殴られたみたいだ」


 しかも、付与魔法も使っていない状態なのだから末恐ろしい。

 ついでに言えば、エルネストの得意技の戦気功(せんきこう)防気功(ぼうきこう)という、生命エネルギーを力に変える技を練習中なので更に恐ろしい。


「約束は守らないとな」


「「やった~!」」


 ボソッと呟いたダレンの言葉に歓声が上がった。

 ベッドの下からレオンハルトとフィーリアが這い出してくる。


「若、お嬢!? 気配はしなかったのに!」


 驚くダレンをよそに、2人は手を取り合って跳ねている。

 2人が喜んでいる約束とは、現役冒険者のダレンの仕事の見学をさせてくれるということだ。

 自分と戦えるならいいですよ、と言ってしまったのだ。


「若はともかく、お嬢の気配はなんでです?」


 気配を消すための訓練をしているレオンハルトなら、気配を掴み損ねるのは仕方ない。

 しかし、寝起きとは言え、現役冒険者のダレンがフィーリアの気配に気付かないのもおかしい。

 ダレンも屋敷に来る前は、13歳の頃から野宿を繰り返し、魔物が蔓延(はびこ)る世界で冒険者を生業(なりわい)にしていたのだ。

 現在も護衛が休みの間は冒険者をしている。


「僕は気配を消してたけど、フィーリアは魔法でかくれてたんだ」


「ママにならったの~! まほーでけっかいをはったんだよ」


 神聖魔法は浄化、回復、防御系の魔法が得意なので、防御魔法で結界を張ったのだ。

 音や匂いなども遮断してしまうので、ダレンも気付かなかったのだ。

 フィーリアもレオンハルトと学校に通うことに決まり、今まで以上に頑張って勉強をした。

 好きな人と一緒に居るための健気(けなげ)な乙女の努力は無敵だ。


「はあ~、若もお嬢も頑張りましたね」


 感心するような溜め息を吐き、2人の頭を優しく撫でる。

 小さな主人たちの、恥ずかしいような誇らしげな表情を見て笑顔を深める。


「わかりました! 俺も男です。負けを認めて、約束通りに冒険者の仕事を見せましょう。旦那と姉御には俺から伝えておきますから準備だけしてください」


「リアッ! おやつのじゅんびだ!」


「レオ君、おようふくもいるよ?」


「ぶきとぼうぐも持ってこう」


「テントもいるかなぁ?」


 手を繋いで駆けていく2人を生暖かい笑顔で見送るダレン。


 ──そんな難しい依頼は受けないんだけどな~。


 ガッカリしやしないかと心配するダレンは、2人を日帰りの依頼に連れて行く許可を取りに、街の練兵場に向かった。

明日から投稿時間がズレます。

書き直して予約投稿してから見直しますので。

なかなか納得のいく文章って書けませんね。

毎日更新は変わりません。


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