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時は夕刻。
時計が指す時間は、5時になるところだ。
俺はだだっ広い間で1人待ちぼうけ。ただこうしてかれこれ30分は経っている。
大理石が敷き詰められた大間は数人の衛兵がいるだけで、静寂に包まれている。
空気も張り詰めていて冷たい。
しかし、場に合わねぇなぁ俺。
欠伸を噛み締めながらポケットから携帯を取り出す。
約束の時間から一時間になりかけている。
俺を呼び出した御方はまだ見られない。
俺がココに呼ばれたのは早朝のことだ。
俺が寝室で寝ているといきなり頭を何者かに叩かれた。
「痛ぇ――!!」
涙目になる俺。
そんな俺を無表情で見つめる1人の女。
「ちょっ…お前誰だよ?」
「伝言を預かってきた」
「は?」
呆気に取られる俺だがそんなのお構いなしで、謎の女が話を続ける。
「大神皇様より本日17時までに中央宮殿に出頭せよ。とのことです」
「…はぁ?」
「…んじゃ」
(  ̄△ ̄)ノ 的な顔をしてスッと消えてしまう。
言うだけ言って勝手にいなくなりやがった。せめて説明くらいしていけよ。
頭をポリポリ掻きながら、さっきまで女がいた空間を凝視する。
つか、真っ裸だった。女の前でこんな恰好……。超絶恥ずかしすぎる!
小さくくしゃみをしていそいそと上着を取り出す俺だった。