過去
『でね、その子が』
え、どうゆうことだ何で死んだはずの沙姫がいるんだ
そうゆうことか、これは夢だ
だから、沙姫がいるんだ
そんなことを、思ってると両頬を何かが包み込んだ
両頬には沙姫の手があった
『もう、紫苑ちゃんと聞いてるの?
なんか、今日ボーっとしてること多いいよ』
その言葉に紫苑が返事をしようとしたとき
『やっと見つけた』
その声を、聞いた瞬間振り返ってはいけないと心の底から思った
だが、反対に振り向きたいと思ってる自分がいた
そして、意を決して振り返った
だがすぐに、そんな自分を後悔した
そこにいたのは、自分と顔がまったく同じの女の子が立っていた
その子は、紫苑が振り向いたと同時に怪しく笑った
そして
『君は過去から逃げられないよ』
「じゃあ、どうしろって言うんだよ」
紫苑が大声を出したのにもかかわらずその子は
表情を変えずにそっとつぶやく
『ほら、そういうところが
逃げられてないんだよ』
そういった瞬間視界はどんどん薄くぼやけていったーーーーーーーーーーーーーー
ッハ
起きた瞬間あたりを見回す
夢・・・・か
そう思った瞬間安堵の息を漏らす
あれ・・・俺今まで何の夢見てたっけ?
でも、とても懐かしい夢を見てた気がする
「ふぁ~」
紫苑はあらためて黒板を見た、すると数学の授業が行われていた。
あれ?
今日1限目英語じゃなかったけ?
「なあなあ今日1限目英語じゃなかったか?」
「クスクス
そっか、紫苑君寝てたもんね
1限目ならもうとっくに終わってるよ
今は4限目だよ」
まじか、俺そんなに寝てたんだ
って、もう4限目も終わるじゃん
まあ、いいや
「悪いけど今から寝るから終わったら起こしてくんない?」
「いいよ」
「じゃ、おやすみ~」
キーンコーンカーンコーン
「きりーつきおつけれーい」
「「「ありがとうございましたー」」」
スースー
「あのさ、そんなことしていいの?
紫苑君起きたらきっと怒るよ?」
「大丈夫大丈夫ばれても田中のせいにすっから」
「なんで、俺なんだよ!」
「し!
静かに起きるよ!」
「ん~
なんだよみんなして、俺の顔見て」
いや、無視すんなよ
まあ、いいや
てか、三島達どんだけサボってんだよ
俺も人の事いえねーけど
もう、昼か腹減った~
購買に飯買いにいくか
「紫苑どこ行くんだよ」
「どこって、購買」
そういった瞬間紫苑の顔を見ていたクラスメイトが一斉に『やばい』
という顔をした
「わ、私い、今から購買行くからお金ちょうだい
ついでに買ってくるから」
「おごってくれるわけじゃないんだ」
「当たり前でしょ」
ガラ
急に教室のドアが開いた
みんな一斉にドアの方を向く、それと同時にみんなは今さっきと違う
『やばい』という顔をした
みんな、なんでそんな顔してんだ?
そんなことを思っていた紫苑もドアの方を向いた瞬間みんなと同じ顔になった
すると、この場とは違う元気な声がドアの方から聞こえてきた
「なにみんなして『やばい』てな顔して
あ!もしかして俺がかっこよすぎてやばい~ってこと?
おだてても何も出ないよ~
なんちゃって~
大丈夫だよ財布取りに来ただけだから、俺の家今親いなくて弁当ないんだ~
一心がいるのは俺が無理やり連れてきたんだよ
ね、一心」
そう、ドアには三島と坂下がいた
すると、坂下と目があったその瞬間冷や汗がでた
「あれ?
紫苑君その顔どうしたの?
すごく面白い顔になってるよ、僕的にはそっちの方がいいけど
あれ、大丈夫?凄い汗でてるよ?」
そんなことを言いながら龍は紫苑に近づいていった
その間は笑顔だった
しかし、その笑顔は口は笑っているが口は笑ってなかった
一歩一歩龍が紫苑に近づくたび紫苑の身体は動かなくなっていった
「だ、大丈夫」
やっと、の事でだした声は自分でも驚くほど震えていた
「そうならよかった
っと、財布財布」
龍が横を通り過ぎた瞬間紫苑はなぜかこの上なく安心した
だが、それもすぐになくなることになった
スタスタ
龍がまた、戻ってきたと思った瞬間急に紫苑に顔を近ずけ耳元で
「自分だけかわいそうなやつだと、思うなよ」
と囁いた
しかし、その声はとても低かった
「じゃ~ね」
「遅い」
「ごめんって~
昼飯おごるから許して~」
「なら許す」
ガラ
二人が教室が教室を出て行った瞬間
紫苑は全身の力が抜けた
「おい、大丈夫かよ」
「あ、ああ大丈夫だ」
「それより、顔のそれ落とすか」
「顔?」
「実はお前が寝てる間に落書きしたんだよ」
そういいながら、和磨はニカっと笑った
それに誘われるように、クラス中が笑いでいっぱいになった
「龍お前、渡辺に何言ったんだ?」
「べっつに~
『自分だけかわいそうなやつだと思うなよ』って言っただけ」
「そうか」
すると、急に二人が止まった
二人の目線の先にはすごい人だかりがあった
「はぁ、久しぶりに来るから忘れてたけどここってよく混むんだった
一心今度絶対おごるから、買って来て~」
「めんどくさいからって俺に押し付けるな
自分で行け」
「え~
一心が行ってよ今ちょうど一心怖がられてるから道開いて楽でしょ!
ってことで宜しく!」
「っち
今度ちゃんとおごれよ」
「はいはい」
そういいながら、一心は人ごみの中に消えて行った
消えたといっても龍の言うとおり今一心は怖がられているので
人が道を開けすぐに買い終わった
「ほら」
「サンキュー
この後どうする?」
「寝る」
「さんせ~
じゃあ、屋上に行こう」
そういいながら、龍は今一心が買ってきたパンを食べ始めた
モグモグ
スタスタ
「この時間に廊下に誰もいないんなんて珍しいね」
「そうだな」
「じゃあ、今日の場所ここかな?」
「だろうな」
ギィー
さびた音が響く
「んー
はー
何度来てもいいね」
「おやす」
言い終わる前に寝てんじゃん
俺も寝よ
キーンコーンカーンコーン
「やっと終わった~」
「紫苑君はほとんど寝てたけどね」
「寝てるのに頭いいのがむかつく」
「実力だよじ・つ・りょ・く」
「一回でいいから殴らせろ」
「やだね~」
ガラ
「じゃあ、またな~」
「おう!」
「またね」
スタスタ
あ~ねみ~
それより、坂下龍あいつ何者だよ
あいつににらまれた瞬間動けなくなったまるで獣のような目だった
はぁ、これ以上考えるのはやめよう夢にまで出てきそうだ。




