第四話 それぞれの一週間(山宮栄太Side)
昨日は油断をしていた。まさか、ここまでくるとは思ってもみなかった。
とりあえず、急いで事後処理はしておいたから地盤崩壊ということになっているが。
「大丈夫ですか」
クルアが話しかけてきた。
「ああ、なんとかな」
「そうですか、ならよかったです。栄太に何かあったら大変ですので」
「心配かけて、すまなかったな」
中学二年生のある日あんな風になるなんて思いもしなかった。
今までの日常がこうも簡単に崩れるとは思ってもいなかった。
中学二年生のある日のとき、俺はペットを飼うためにペットショップにいた。
そして、そこでクルアに会った。初めは普通にフクロウだと思っていた。しかし……
それで、そのあといろいろあって、急に転校することになり、遥斗と明香里にさよならも言わずにこの町を出て行ってしまった。
そのあと、さまざまなところを転々とし久しぶりにこの町に戻ってくることができた。
これでまた三人で学校にいけるし遊ぶこともできる。そう思っていた。
しかし、この世界はそう甘くなかった。
くそっ、学校を守ることができなかった。遥斗と明香里を守ることができなかった。
だめだ、もっと力を鍛えないと。
「栄太今日のところはもう寝ましょう。疲れもたまっていると思いますし、やつらもまたすぐには攻めてきませんから」
「ああ、そうだね。おやすみクルア」
「おやすみです。栄太」
そして、翌朝
「おはようクルア。毎朝すまないね」
「いえいえ、大丈夫です。わたしたちの一つの役目ですから」
「しばらく、学校休みだからその間にこれからのことをよく考えておこう」
「そうですね」
翌日……
俺とクルアの二人で朝ごはんを食べていた。
しかし、奴らはどこからきたのだろうか。
普通はこっちからあっちには行けるけど逆はできないはずなんだが。
「クルア、やつらはどうやってこっちに来たんだろうか」
「いまのところ、全然わかりません」
「そうだよなーわからないよな。まあ、闇雲に探しても無駄なだけだから、じっくり考えていこう」
「それで、今日は何をするんですか」
「とりあえず、練習して鍛える」
「そうですか、わかりました。じゃあ、私は空を散歩してきます」
そんな感じでまた一日が過ぎ……
今日は明香里のうちにみんなで勉強という名目で集まることになった。
「じゃあ、明香里のうちにいってくるから、留守番よろしく」
「……わかりました」
そして、明香里の家に行く途中で遥斗に会った。
明香里の家では、特に何もなく普通に話して終わった。
その帰り道。
しかし、二人ともペットを飼い始めたんだなあ……
まさか、そんなことはないよな。
二人も俺と同じようにならないよな、なるべくなら二人をこんな戦いに巻き込みたくない。
あっという間に時間が過ぎ登校日の18日になった。
「じゃあ、いってきます」
「気を付けてくださいね」
「わかってる。気を付けるよ」
しばらくすると、遥斗に会った。
「おはよー」とあいさつをしてきたので俺も「おはよう」と返した。
そのあと明香里と会い、三人で会話をしながら学校へと向かった。
いつもありがとうございます。
15/8/26に修正を行いました。




