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猫目石〜短編〜

作者: 芭瑠堵

「ねぇ、なんでクロトは私に猫目石をくれたの…?」


「……」


私の前にいる、一見すればただの黒猫のクロトは黙ったまま。

普通の黒猫とは違って話せるんだから、なにか言ってくれればいいのに…。






そう、この黒猫”クロト”と会ったのは一週間前な…ハズ。

そいて、私の前に現れたのはクロト一匹だけでなく

白猫の”ミルク”と共に前触れなく現れたのだ……。




『やぁ!君が美奈だね。

 僕はミルク。んでもってコイツが…』


『クロトだ…』




いきなり現れた、人語を話す猫達。

最初は信じられなくて、現実逃避したけど事実で…。




『君は狙われているんだ!

 だから、僕達が守ってあげるにゃ♪』


『……』




そう言われてから、数日後は子供の悪戯か?と思うものから

当たってたら命すら危険なものまで狙われるようになった。


この変な猫のせいだと思ったら、どうやらこの私が持っていた猫目石が問題だった。

物心がつく前から持っていたこの蒼く綺麗に輝く猫目石。

それを捨てればと思ったがなかなか、手放せなくて……。


それでも、猫達は私を守り続けてくれた。

尋常じゃない不思議な力で…。


しかし、私は狙う者達に捕まってしまった。




『さぁ、早くそれをよこすのだ!!』


『い、嫌だって言ってんだろ!つるっぱげ!!!』


『このっ!小娘の分際でぇぇ!!』


『いやぁー!!』



無理やり、取ろうとするオヤジ。

けれど、オヤジは何らかの力で私から猫目石は取れなかった。

わからないが?


そんなこんなで、クロトがいち早く私を助けに来てくれた。

…その時の会話が、気になったのだ。



『ほぅ。お前だな、そいつの持っている猫目石の持ち主は……』


『それが、どうした…早く、美奈を解放しろ!!』



あんなに激怒したクロトを初めて見た。

そして、オヤジがいった猫目石の持ち主がクロトだと…。




私は、何とかクロトと後からきたミルクのおかげで無事に帰ることができた。

でも…あの謎は未解決のままで……。


その事実が知りたくて、クロトではなく

ミルクに事情を聞いてみた。

しぶしぶ、答えてくれた。


『そのオヤジが言ってたのは本当の話だにゃ…

 理由は知らないけど、いつかだか美奈に自分の目をあげたのは確かだにゃ』








それで、今に至る。

何故、大切である自分の目を私にくれたのか?

それが知りたくて、今度は本人に直接聞いてみたが

さっきからこの調子でしゃべってくれない。

いくら無口だからって、答えてくれてもいいのに……。



「ねぇ…だまってないで答えてよ!クロトっ」


「…大事だからに決まってるだろ」


「えっ…?」



やっと、クロトはしゃべってくれた。

でも…大事だからって??



「どういうこと?」



クロトとは、一週間前くらいに会ったばかりなのに

どーしてそう言えるのかがわからなかった。



「覚えていないなら…いい」


「え?覚えてるって、いったい何なの?!」


「いいから、忘れろ!」


「知りたいよークロトォ〜」


「甘ったれた声だすな。気持ち悪い…」


「失礼ねー!クロトのバカァ!!」



しゃべったと思ったら、何よ!

気持ち悪いとか、失礼しちゃうわねー。



「もうっ、いいわよー!!」



私は腹を立て、自分の部屋に引きこもった…。


















「ねぇ〜え、言ってあげればいいじゃん?

 あんなに知りたがってるのにさーあ」


「忘れてるなら、いいんだ…いちいち説明しなくても」


「そーんなに、恥ずかしいかな?

 大事だーとかまで言ったくせに…」


「うるさい!だまれっ」



てくてくと、外へ旅立つクロト。



「素直に言えばいいのに…――

















   









                   ――自分を助けてくれた命の恩人だから大切なんだってさ!  」











長編用にと考えた猫目石シリーズをちょっとだけ、短編にしてあらすじ?みたいなのを書いてみました。まだ、連載中の作品が残っているので書き終わったら、またこの猫目石〜短編〜を長編シリーズに賦活させたいと思います!

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― 新着の感想 ―
[一言] 初めまして。読後、続話としてまた物語があれば読んでみたいと思いました。  猫目石にまつわる物語、少しだけですが魅力的なクロトのキャラなど良いですね。  ファンタジーなので今後も色々夢が広がり…
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