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ちいさな花  作者:
1/3

1話

1話目はちょっと短めです。

随時追加していきます。宜しくお願いします。





 「なんてゆーかさ、あの子の服って、色が暗いんだよね。」

 「バランスがねー。」

 「大学生にもなったらさ、安い服ばっかじゃなくて、鞄くらいはいいやつ使ったり、コーデの中に1つは高いやつ入れないとね。」

 今日も隣の席で友達A・B・Cがお花畑のような会話を繰り広げている。

 3人とも机の上には高級ブランドの鞄を乗せているが、3人の品のない会話によって本来の上質な雰囲気は完全に打ち消されている。

 男ウケのいいファッションやブランド物の服で外見を着飾っていても、中身に深みがなければそんなものはただのメッキでしかない。

 3人の隣で木綿子はいつも「そうなのかぁ」と適当な返事をするか、窓の外を眺めていたりする。恐らく、3人ともそんな木綿子にイライラしていることだろう。

 窓の外では金髪の男の子と黒髪の男の子がスケートボードで掲示板前の広い道を滑っている。ゆらゆらと滑っている様は風になびく草のようだった。




 「私、ちょっとトイレ行ってくるわ。」

 友達Bの声に、花畑3人組に視線を戻す。

 Bはスマートフォン片手に、フリフリと短いバルーンスカートを揺らして教室から出ていく。

 「Bさ、オールでクラブ行ったとかダーツ行ったとか、自慢のつもりなんだろうけど全然羨ましくないっつーの。」

 「リア充アピールしてるつもりなんだろうね。」

 Bがいなくなった途端、Bに対する不満を話し始める。木綿子はお花畑を無視して窓の外に視線を移した。

 (お花畑みたいな人たち……。)

 スケートボードの男の子たちはいなくなっていた。代わりに、掲示板を見て楽しそうに話している男女2人組。


 


 窓の外では、たくさんのドラマが1日に何度も作り上げられているようだ。四角く、縦長のテレビの向こうで1日に何人もの登場人物を見ることができる。




 Bがトイレから戻ってきて、3人はまた新しいお花畑を作り上げる。

 教授が偉そうに片手をポケットに入れて教室に入ってきた。夏の終わりのセミの大合唱のようだった教室が徐々に静かになって、授業が始まる。

 黒板と偉そうなビール腹の教授に木綿子は視線を移す。

 

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