表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王の歌姫  作者: 千ノ葉
魔王の歌姫 ―始まりの唄―
31/75

エピローグ -Journey-

森の中はすでに冬を越え、春を迎えていた。

雪を掻き分けて花々は芽を出し、動物たちは冬眠から目を覚ます。

春、それは始まりの季節。当然人間にとっても――――



森の中には一台の馬車が止まっていた。


「ふう、こんなもんかな」


銀髪の少女は馬車の荷台へと荷物を積み込む。


「少し積みすぎではないでしょうか?」


隣にいる黒髪の少女は心配そうな面持ちで荷台を見た。


「いいんだって、長い旅になるんだから」

「それならば現地調達でいいのかと……」

「あ~。ダルクちゃんは心配性なの」

「そうでしょうか。それよりもダルクちゃんとは」


黒髪の少女は不思議そうな顔をする。


「だって、ダルクちゃん。私より年下でしょ?」

「はい、4ヶ月目ですので」

「だったら、いいよね?」

「……命令とあらば」


その言葉を言う前に時間が開いたのは明確だった。


「あと、敬語とか礼儀も禁止ね!」

「分かりました。エレン様」

「だから様付けは無しだって!」


エレンは銀の髪をブンブンと振り分けて、ダルクへと注意を喚起する。


「私たちは家族なんだから、ね」


エレンの笑顔にダルクは黙って返事をするしかなかった。


荷物も積み終わりダルクは黒馬の手綱を取る。

荷台にはエレンが乗り込んだ。そこには水や食料、そしてこの森で取れた花々の種が大量に乗せてあった。


「それでどこへ向かうのですか?」


ダルクは聞く。


「うーん。決まってないや」


エレンはそう答える。

幸先不安になる答えだったが彼女の表情は楽しそうであった。


「まあ、目的は決めてるんだけどね」

「目的?」

「うん、もちろん世界征服でしょ!」


馬車は2人を乗せ、森の中を抜けていく。そこからは美しい歌声が響く。

その後、世界各地で唄を歌う魔王の姿がたびたび目撃されたらしい。

それはまた別のお話である。


「魔王の歌姫」をご愛読して下さった皆さん。

この場を借りて感謝を述べたいと思います。

皆さんのおかげで連載を最後まで続けることができました。

ありがとうございました。


続編予定など詳しいことは活動報告にてお伝えしたいと思うので

今後も”千ノ葉”をよろしくお願いします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ