学園生活
その時はただ単に視界に入っただけなのだが、今思い返すと不思議な出会いだったと思う。
普通なら何かの縁で、とか通学路が一緒で、とか幼なじみ、とか‥何かしら関わりのある形になるだろうと思うわけで。
まぁ…普通じゃなくてこんなのもアリだろ。実際あったわけだし。
通っている高校は、普通の学校。特に何かの特色があるわけでも無い。
強いて言えば、妙な校則くらい。たまに矛盾してたりとよく分からない。まぁ守ってる生徒は1年くらいだろう。
俺達の学年になると
『掟は破るためにある!!』
と迷言が生まれるくらいだ。
共学の事もあってか、学園生活は毎日のように何かが起こる。特に大学受験に向けて勉強が強化されると、キツい勉強から現実逃避のためか噂などが絶えなかった。
俺としては、文理選択があると助かる。何てったって、理系には現代文と古典が必要最低限しか無い。
古典が何よりも苦手な俺にとっては嬉しい事この上無い。英語はどっちにもあるが、苦にはならないので関係無い。
しかし‥どこから聞き付けたのか、英語で困ると皆寄って集って俺の所に来る。
人に教えるのは、物分かりの良い人になるべくしたい。
昔っからのろのろするのが嫌いだったせいか、何事も手早く済ませたい質なのだが。
休み時間が終わると群がった皆が散り、席に着く。
はぁ と溜め息をつき、眼鏡を外す。
疲れる、というのが本音。
次の授業、数学も終わり、さっきの残りがまた押し寄せるかと身構えたが軍団は別の生徒へ流れていった。
蒼の元へだった。
外野から見ていると、1人に何人もが集まるとかなり凄い光景。
だから疲れる訳だ‥と納得。
四方八方から質問飛んでくるんだもんな。
特に何も思わなかった俺は、教室を出た。