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悩みは全て雲

「どれどれ、頭を見せてください。麻酔が効くので感覚がなくなりますよ」


「頭がぽかぽかする……」


「そうでしょう? 今、僕はあなたの頭蓋骨を開いて脳を覗いています。沢山の雲がある。これは不安の雲ですね」


「そうです、先生。毎日毎日不安で仕方ないんです。私は高校生ですから、悩みが多いのです」


「そうでしょう。こうやって、脳を覗いて欲しいという患者さんは多いんですよ。ほう、この雲は恋愛の雲ですなあ。薄く広がっている」


「はい、お恥ずかしながら、彼氏ができたことが無くて……」


「そんなのは恥ずかしくなんかないですよ。雲を取り除いておきましょう」


「はぁ……楽になる。ありがとうございます」


「それから、この雲は何かな? 小さくて分厚い。未来のことに悩んでいる」


「それは進路に悩んでいる雲だと思います。もっと頑張りたいんですが、なかなか勉強が進まなくて」


「これはなかなか外れないなあ。でも、少し薄くすることはできました」


「ふぅ、少し軽くなった」


「こんなところでいいでしょう。頭を閉じますね」


「ありがとうございます」




「はい、おつかれさまでした」


「これで、おいくらですか?」


「1万円ですね。高校生には高いですか?」


「まあ安い。これで不安を取り除けるなら安いものだわ」




「おかえりなさいあなた。今日の診察はどうだった?」


「ただいま。今日も沢山の人が診察を受けに来たよ」


「頭の中の雲を取り除くだなんて、いい商売思いついたわね」


「そうだろう?」


「本当に覗いていると信じているなんて、おかしな話だな」




「先生、先生!」


「ど、どうした?! ここは自宅なのに」


「雲を取り除いてください!」


「雲を?」


「先生が雲を取り除いてくれないと、不安で仕方ないんです!」


「だが今日は私も体調が悪くて……ごほごほ」




ピコン。


『えー、ここ数日で怪奇な事件が多発しております。自ら頭を刃物で傷つけ、救急搬送されたり亡くなったりする人が数十人確認されております。全て都内近郊の居住者に限られており、原因を調査中です』



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