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聖凛能力学園  作者: ゆっきー
新しい始まり
45/47

元殺し屋vs元最強

 俺は男を追ってここまで来た。そこには血まみれの魔理沙が倒れており、男は魔理沙?に話しかけていた。

 「お前は本物の魔理沙か?嘘をついてもわかるんだ。言葉は慎重に選べ。」

 「私は本物の…霧雨魔理沙な…のぜ…」

 「次にお前を復活させたのは誰だ?」

 「教えないのぜ…恩人を裏切るようなこと…」

魔理沙?がそう言うと男は魔理沙の足にナイフを突き刺す。

 「お前に拒否権はない。もう一度問う。お前を復活させたのは誰だ?」

 「教えな…いのぜ」

 「なるほどな…じゃあいい。もう一度死ね。」

そして男は魔理沙?の首を斬り飛ばす。すると魔理沙は灰となり、飛んで行った。

 「ふぅ…で、お前がいるということはseaはしくじったということか…」

男は俺の気配に気づいてた。気配は出来るだけ消したつもりだったが、これでもこの男にはバレてしまうらしい。

 「お前は何者なんだ?」

俺は刀を構えながら男に問う。

 「俺はZero、元殺し屋だ。」

 『【Zero】そんな名前の殺し屋を聞いたことがない。俺が死んでいた間に現れたのか?それでもこの強さなら妖夢が話しそうなものだが…』

 「何が目的だ?」

 「依頼の達成だ。そのためにこいつから情報を引き出す必要があった。まあ、何の情報も得られなかったがな。」

 『殺し屋のくせにペラペラしゃべるやつだ…』

 「で、なんで逃げないんだ?」

 「なぜ逃げる必要がある?」

 「俺を足止めしてたってことは逃げることも想定してのことじゃないのか?」

 『そうだ。もし、魔理沙?から情報を引き出すためだけなら俺たちと協力をすればよかっただけだ。だがこいつはそれをしなかった。その理由は…?』

 「もともとはそのつもりだったが、来てしまったものはしょうがない。」

 「そうか…じゃあ捕らえられてくれ。」

 「捕らえられるならやってみろ。」

・・・

 目の前の男は強敵だ。海菜が足止めできなかった時点で実力があるのは確かだ。俺は即座に地面の砂を蹴り、砂埃で相手の視界をきる。

 「それは俺にとっては悪手だな。」

瞬間、上空の砂が弾丸のような勢いで俺に飛んでくる。

 「なるほど。重力操作か。」

俺はその砂の弾丸をすべて避ける。

 『俺の重力を上げないということは何か制限があるのか?いや、ないと仮定した方が安全か。』

俺は次に近くの棒を相手に投げる。男は余裕の表情で避ける。

 《能力発動:運命調和》

棒は導かれるように風に乗り、男を襲う。男は驚いた表情を見せたものの、ギリギリで避ける。そして棒は再び俺の方に戻ってくる。

 「それがお前の能力か?」

 「さぁ、どうだろうな。ただ運が良かっただけかもしれないぞ?」

 「ありえねぇだろ。運命操作に似た能力だな。」

 「考えるのは自由だがいいのか?止まってて。」

 「?」

俺がそういった瞬間、男の立っている場所に竜巻が起こり、視界を奪う。俺はそれに紛れてナイフを投げる。

 「こんなこともできるのか」

男は刀でナイフを弾く。

 『今度は能力を使わなかった。視界にちゃんと入っていない場合は能力が使えないのか?』

 「お前の名前はなんだ?」

 「このタイミングで相手の名前を聞くのか?まあ、いい。俺は魂魄雪だ。」

 「・・・柳雪ではないのか?」

俺がそういうと男は驚愕の表情を浮かべる。

 「何故そのことを知っている!」

 「依頼人…管理人に柳雪を手助けしろと言われて、ここに来た。」

男はそれを聞いて何かを考え出した。

・・・

 目の前の男は管理人のことを知っている。俺を復活させたのは管理人代理だ。つまりこいつは俺を復活させた存在より上の奴から依頼をされたと考えるべきだ。そんな存在から依頼されるほどの人物だ。強者であるのは間違いない。

 『覚悟を決めるか…』

 《能力発動:■■■■》

俺は能力を発動させる。瞬間、俺は最高速を一瞬で出す。Zeroはその俺に反応するのが遅れ、俺の刀が腹を斬る。だが、それですら皮を斬る程度で済ませやがった。

 「ふむ。スピードを上げたか。まあ、問題ないな。」

Zeroがそう言うと辺りが爆発する。

 「さっきまで敵がいた場所だぞ?何か仕掛けられてるとは思わないのか?」

そして俺の足場が崩れる。

 「クソったれが!」

俺は能力で前世の能力を再現し、空中を浮く。

 「なるほど…浮くこともできるか…さっきの砂の攻撃、一瞬で最高速を出す運動能力、これは重力か?いや、力を操れたりするのか?」

Zeroはそうやって思考をしている。だがさすが殺し屋。思考中でも隙がない。全力を出せばまだ手札はあるが、それでもあいつを倒せる気がしない…1対1では勝ち目を感じない。俺がそう思っていると後ろから足音が聞こえてくる。俺は嫌な汗をかく。

 『まさか…!』

俺が後ろを振り向くとそこにはさっきフランが足止めをしてくれていた女が血を流した状態で立っていた。

 「すみません。Zeroさん…この人間を通してしまいました。」

 「問題ない。で、これでお前の勝ち目はほぼなくなったわけだが…どうする?」

さっきの時点でも勝ち目が薄かったのがこれで勝ち目がなくなった。

 『クソ…ここは引くしかないのか…』

そこで俺は嫌な予感がした。

 「おい…女…さっきの三人をどうした!」

輝夜と妹紅は不老不死だ。だが、痛みはある。焼け死なせるわけにはいかない。そしてフランは不死でも何でもない。ただの人間だ。あんな場所に倒れていたら死んじまう!

 「さあ、どうだろうね。」

 「クソったれが!」

俺はすぐに三人のいた場所に走り出した。Zero達は追ってこなかった。そして俺は目的の場所に着く。だが、そこには燃えそうになっている紙が一枚、それしかなかった。

 「くそ!どこだ!」

俺は紙を拾い中を見る。そこには

 〈全員外に出した。〉

とだけ書かれていた。俺はすぐさま外を見る。そこには地面に倒れている三人がいた。俺は窓から飛び降りる。息はしている。だが全員重傷だ。俺はすぐに妖夢に連絡し、三人を病院に運んでもらった。

・・・

 「玲さん。彼はどうでしたか?」

 「うーむ。判断能力が良かった。状況を把握する能力に長けている。だが感情的になりやすすぎだな。だから分かった…あいつが・・・【この世界の”柳雪”】だ。」

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