正体
目の前に現れた謎の2人組
『立ち振る舞いで分かる…相当な手練れだ…下手すれば俺も能力を使わないといけないかもしれない…』
俺がそう思考をしていると2人組は俺達ではなく、能力の方向を見る。
「お前がここを爆発させた張本人か?」
その質問に能力は無言を返す。そしてすぐさま炎をまき散らす。
「意思疎通は難しそうだな!」
・・・
『この影のような生物が俺たちの依頼に関係しているのは確実だろうな。』
俺はそう考えながら相手の攻撃を避けていく。
「ふむ、ある程度能力はわかった。」
『多分、魔法を扱う能力だろうな…幅が広いのはそれだけ魔法への知識が高いからか?だがこのレベルの魔法を使えるなら対話ぐらい…!』
そこで俺は1つ思いついた。
「やってみるか!」
《能力発動:運命調和》
・・・
目の前の男が能力を使ったとたん、目の前の能力はどんどん黒から肌色に変わっていく。体型もどんどん女性に近づき、今まで見えなかった金髪も生えてきた。そこで俺は気づいた。そいつはよく知った顔だった。霧雨魔理沙、その能力は魔理沙の姿になったのだ。そして魔理沙が全裸なのに気づき、俺は咄嗟に手で隠す。別人の可能性もあるが、女性の身体の時点でたやすく見ていいものでもないだろう。そんな俺をよそに妹紅と輝夜はその二人を問いただす。
「お前たちは何者なんだ!そこの奴の仲間かい?旧友の魔理沙に姿まで返させて!」
「あなたたちがそいつの仲間というなら倒さざる負えないのです。素直に答えてくださいね。」
・・・
俺は驚いていた。この世界にも妹紅と輝夜がいることに。一年しか幻想郷にいなかった俺はほとんど子の2人とは話さなかったが何度か見かけたことはある。見間違えるはずもない。そして俺の能力で影をもとの姿に戻したのだが、まさか魔理沙の姿になるとは思わなかった。
『俺の能力では確実に出来ないことを可能にすることはできない…つまりこの姿にすることが可能だったということだ…どういうことなのかは分からないが…まあ本人に聞いて見るか。』
いろいろ質問してくる2人をよそに俺は魔理沙?に声をかける。
「おい、会話は出来るか?」
俺がそう言うと魔理沙?口を開け言葉を発した。
「できるのぜ」
話し方も俺の知っている魔理沙に近い。だがきっと他人だろう。この世界に俺の知る人物は海菜以外いないはずだ。
「お前は何者だ?」
俺は一番重要なことを聞く。これの答えによって俺のこの先の行動が変わる。
「私は霧雨魔理沙…魔法使いなのぜ。」
『予想はしていたが魔理沙と答えてくるか…ホンモノの魔理沙なのか、魔理沙のふりをしている偽物か、はたまたどっちでもあり、どっちでもない別の存在か…』
いくら思考しても答えは出ない。だから別の質問をする。
「何故、ここを燃やした?」
「主人から言われたから。」
「主人とは誰だ?」
「私を生き返らせてくれた恩人。」
「何故そいつに従う?」
「恩人だから。」
「本当にお前はそれを望んでいるのか?」
「そういう話ではない。私の願望など必要ない。必要なのは忠誠心だけ。」
「なるほどな。じゃあ、もう一度死んでもらおうか。」
『生き返らせたってことはこの世界じゃ魔理沙は死んだのか。そしてどう考えても洗脳のようなことが行われている。復活された時に強制的になるのか。それとも別の能力者によるものか…いまはさほど重要ではないな。』
「sea!」
「はい!」
その瞬間seaは全員を気絶させる…と思っていた。たった一人、seaの手刀を片手で止めていた。
「なにものd」
俺がそう言おうとした瞬間、魔理沙が魔法を放ってくる。
「こっちは会話しようとしてんのにお行儀が悪いな!クソ野郎!」
『向こうの世界でも最初の頃は魔理沙に殺気を向けられていたもんだ…懐かしいな。だがあの頃と違うのは…』
俺はおもいっきり身体をひねって蹴りを放つ。その蹴りは見事に魔理沙の腹にささり、魔理沙はぶっ飛んでいく。
「sea、そいつは任せたぞ。」
「わかりました。」
そして俺はすぐに魔理沙に追い打ちをかけにいった。




