対面
俺がこの世界について調べていると近くで爆発音が響き渡った。
「!?」
俺と海菜はほぼ同時にその爆発音の方向を見る。そこには大きなショッピングモールが存在していて至る所から煙が上がっている。
『爆発…テロか?…もしくは俺たちと同じ転生者?…いや…ここで考えてても意味がない…できるだけ可能性を探り出せ!』
「海菜!」
「はい!」
海菜は騒ぎになっている人ごみの中から的確に布と武器になりそうなものを集めた。そして俺たちはすぐにその布で顔が見えないように覆う。
「海菜、わかってるな?」
「はい!」
『まずは原因究明、そこからこの世界の常識などが分かるかもしれない。タイミング的にもこれが依頼に関係している可能性は0じゃない…大規模な爆発…可能性が高いのは《転生者》《能力者》《テロ》…まずテロは除外…その程度なら考えなくていいからだ…次に転生者…これに関しては三つの中ではかなり低いがありえなくはない…俺らが存在している以上否定が出来ない…が、これができるということは能力者でもある可能性が高い…つまり一番警戒しなければならないのは…《能力者》だ!』
・・・
俺は妖夢に言って、すぐにここに来た。酷い惨状だ。至る所から悲鳴が聞こえる。
『音で敵を探すのは不可能か…風の流れでも無理だろうな、人が多すぎる。まずは妹紅たちとの合流が先だな。』
俺はすぐに妖夢に渡されたマップを見ながら妹紅と輝夜の方向に向かう。そしてそこにつくと血まみれの妹紅と輝夜が居た。
「大丈夫ですか?」
「増援か!?って雪か」
「そうです。状況は?」
「かなり悪い。まず、敵の能力は不明、火がデカすぎて逃げ遅れた市民がいるのかすらわからない。」
「2人が血まみれの理由は?」
「その能力にやられた。どんな能力かもわからなかった。火を出したり水を出したり、かと思ったら突然消えたりな…」
『そこまで多種多様なことができる能力がいるのか?』
「まだいるはずよ。探しましょう。」
「わかりました。どこに行ったとかわかりますか?」
「下に降りていくのは見た。負傷を回復させるので精いっぱいで追えなかったがな」
「じゃあ、行きましょう!」
そして俺達三人は急いで下に降りる。するとそいつは現れた。人型で全身が真っ黒、性別すらわからない。
「これが…」
「ええ、能力よ。」
輝夜はそう言うとすぐに攻撃を始める。どこから取り出したのは大量の石を投げる。その石は輝夜の能力で一瞬にし敵に当たる。だが相手はそんなこと気にしないかのように歩いてくる。次に妹紅が炎で攻撃する。それを相殺するように相手は水で防ぐ。そして俺はその隙に近づき刀で斬る。だがそれすら相手は固めた土で防ぐ。
「なんでもありか!?」
俺は一旦距離を取る。
『ここまでの手数…かなりきついな…』
俺がそんなことを考えていると二つの足音が聞こえてきた。俺たちは同時にその方向を見る。そこには二人の男女がいた。顔は布で隠されている。
「Zeroさん…」
「あぁ…あれがこの爆発の元凶だろうな…行くぞ、sea」




