再会
数分歩くとある部屋の前についた。
「雪弥、今から会うフランドールという女性には粗相のないようにな。」
「わかりました。」
フランドール・スカーレット、過去に助けられたことがある。フランの能力、破壊はかなり強力だ。正確に言うと破壊ではなく爆発に近いのだが、食らった時点で運がよくで体半分、大半がかけらすら残らず消えるためほとんど破壊と変わらない。
「失礼します。」
「意外と早かったわね。どう?倒せた?」
「いや、想像以上に足が速くて逃がした。」
「そう…で、隣の青年はだれ?」
フランはそう言って俺の方を向いてくる。
「記憶障害を持ってる青年だ。家族も名前もすべて忘れているらしい。今は藤原雪弥と名乗らせている。」
「そう、でも私はその子から強者の雰囲気を感じるんだけどなー」
そう言いながら品定めをするかのように俺のことを睨んでくる。昔のフランなら強者のオーラなど感じれなかっただろう。そのため油断をしていた。妹紅も気づいていなさげだったから隠さなくてもいいと感じてしまっていた。
「で、その子をどうするの?」
「軍に入れようかと。」
「それなら妖夢さんに会わせないとだよ?」
「わかっています。今から行くところです。」
「そう、てか敬語やめてっていつも言ってるのに、いつになったら敬語外れるの?」
「仕事が終わったらですね。」
「はぁ…わかったよ。それじゃあね。」
「失礼しました。」
そしてフランのもとを後にする。
「次は妖夢さんのところだ。この国の軍のトップだ。くれぐれも礼儀作法を間違えないようにな。」
「わかりました。」
『念のためフランのように強者のオーラを見られないようにしとくか』
そして再び数分歩き今までとは雰囲気の違う扉の前についた。
「失礼します。」
そう言って妹紅は中に入っていく。俺もその後に続くように入っていく。
「おー妹紅さん、お久しぶりです。」
「敬語はやめてください。お久しぶりです。」
「うん。で、今日の用はそこの青年かな?」
「はい。この子は記憶障害で親も名前もわからず、ですが力はあると思うので軍に入れたく…」
「うーん。そうだなー。それじゃあ試験を受けて合格をもらえたらいいよ。」
「えーと具体的にはどんな試験ですか?」
「うーん、あ、それじゃあ私と戦って私が合格を判定するってことで。」
「え…それは些か難しすぎませんか?」
「大丈夫だよ。本気は出さないし、倒さなくてもある程度戦えたら合格にするから。で、君、」
「はい。」
「能力とかは持ってるかな?覚えてない?」
「えーと覚えてます。」
「どんな能力?」
『これも試験か?簡単に能力を話す人間は軍に入れられないのでは?』
「言えません。能力を教えるのは弱点を教えるのと等しい行為です。」
「!…そうだね。凄いね。わかった。それじゃあ訓練場に行こうか。」
そして俺たちは訓練場に向かうのだった。




