再会
俺は次々と爆発の起こった場所に向かっては再覚醒者を殺していった。そして全員片付けたあと、合流場所に行くのだった。
俺がつくとまだレミリアと美佳は来ていなかった。強い敵でもいたのだろうか?そう思っているとレミリアたちが来た。
「待たせたかしら。」
「いや、少し前に着いたばかりだ。強い奴でもいたのか?」
「少しね。でも美佳のおかげですんなり倒せたわ。」
「そう言えば美佳の能力は何なんだ?」
「えっと私の能力は創造する能力です。槍とか刀はもちろん。魔法とかも創造できます。」
「それって俺たちより強くないか?」
「そうでもないですよ。魔法とかを創造するにはかなりの体力を消耗しますし、概念に干渉は出来ませんし、爆弾のように物質自体に特性があるものを創造するにも体力がかなり必要ですし。」
「そう聞くと使い勝手は悪いな。」
「でも、私は使える能力と思うけどね。私はよく槍を投げて攻撃するから創造してもらうとかなり楽になるのよね。」
「そう言っていただけると嬉しいです。で、このあとどうしますか?」
「そうだな…」
俺が時計を見るとまだ正午だった。
「暇だし、先に軍の拠点に行ってみるか。別に7時ピッタリに来いとは言われてないし。」
「そうね。何か起きても妖夢らへんがどうにかするでしょう。向かいましょうか。」
「わかりました。」
そして俺たちはしゃべりながら軍の拠点がある場所に向かって歩いて行った。
……
「外に送った再覚醒者が全員殺された。」
「思っていたより早いわね。」
「やったのは多分、春と夏を殺した奴と同じ人物だと思う。でもそれにしても早すぎるから複数人いるのかも。」
「そうね。まあでも今回のは作戦開始への時間稼ぎだしね。相手に作戦会議の時間を与えるのは嫌だけど、今回の進攻で警戒は強まったでしょう。人間は警戒しすぎると疲れがたまって、いざって時にいつも通りに動けなくなるしね。」
「あ、そう言えばボスから連絡。作戦開始は明日の朝、作戦にはボスも参加するんだって。」
「本当?それなら私たちも全力出さないとね。ボスの前で無様な姿はさらせないわ。」
「そうだね。じゃあ僕は寝るから。じゃあね。」
冬はそう言ってその部屋を後にした。少しは緊張してもいいと思うのだけど…まあ、彼の能力を考えればあんな性格になっても頷ける。強者故の余裕。
「私にもその余裕を分けてほしいわ~。まあ、いいわ。私も寝ようかしらね。作戦には完璧なコンディションで挑みたいし。」
そして私も自室に戻るのだった。
……
俺たちは軍の拠点に着いていた。意外と遠く、尚且つ車を使ってこなかったためかなりの時間がかかってしまった。途中で開いている店があったのでそこで食べ物を買って昼食をとった。なんでも地下シェルターに行っていないレミリアのような奴らは軍の拠点の近くの店で食べ物などを買っているのだとか。拠点の近くだと再覚醒者は少ないし、来てもすぐに軍の誰かが倒してくれるので店を開いているところも多いんだとか。
「あ、見えてきたわよ。」
レミリアがそう言ったのを聞き目の前を見る。そこには結構大きめのビルが立っていた。
「ここが軍の拠点なのか?」
「ええ、ここが拠点よ。私も何回か妖夢や靈華に呼ばれてきたことがあったからあってるはずよ。」
「そうか。まあ入ればわかるか。」
俺はそう言ってビルの入り口に行く。入り口には二名の男女が立っていた。
「あなたたちは何者かしら?」
「私はレミリア・スカーレットよ。」
「俺は柳雪だ。」
「私は山野美佳です。」
「レミリアさんは知っているが、残りの2人は知らんぞ?」
そんなことを男の方が言うと奥から声が聞こえてきた。
「雪は私の知り合いだから通していいわよ。そっちの連れも入れていいわ。」
「靈華さんが言うのでしたらいいのですが。本当にいいのですか?」
「ええ、どうせ暇すぎて集合時間の前に来たって感じでしょう?」
「よくわかったな。」
「レミリアとはそんなに長くないけど雪とはもう3年以上は経つからね。これぐらいわかるわよ。まあ入っていいわよ。」
そう靈華が言うと入り口に立っていた男女二人は道を開けてくれた。
「てか、まさか学園で最強と呼ばれていた二人が一緒に来るとは思ってもみなかったわね。」
「途中であってな。一緒に来たんだ。」
「へえ。で、美佳だっけ?そこの彼女はなんなの?」
「美佳とも途中で会ったんだ。話したら美佳もここに来る予定だったらしくてな。ついでだから一緒に来たんだよ。」
「そう。じゃあここの部屋で待ってて。時間になったら誰か呼びに行かせるから。」
「わかった。」
「じゃあ私はまだ仕事があるから。またね。」
「ああ、またな。」
そう言って靈華はその場を後にした。
「あの、靈華さんって強いんですか?」
突然美佳がそんな質問をしてくる。
「そういえば私も靈華の戦ってるとこ見たことないかも。能力もしらないし。」
「靈華は強いぞ。それこそ本気を出したら、もしかしたらSランク程度の能力者には勝てるレベルでな。」
「そんなに強いんですか?」
「ああ、身体能力もある程度高いし、能力も強いしな。」
「能力は何なの?」
「それは本人から聞いてくれ。俺が勝手に言えるものじゃない。」
「それもそうね。」
「それより、俺は寝る。今日は朝から疲れたんだ。」
俺はそう言って横になり眠るのだった。




