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聖凛能力学園  作者: ゆっきー
始まり
14/47

異変開始

 放課後、俺は部室に向かっていた。部室の扉を開けると、すでに一名来ていた。

 「もう来ていたのか、さとり。」

 「はい、魔理沙さんと妖夢さんはまた暴れていた能力者を捕らえに行きました。私の能力ではとらえられないので先に来ました。」

 「そうか。」

さとりの能力は心を読む能力。確かに戦闘向きではない。だが今回の事件を解決するのにはかなり使える能力なのだ。俺がそんなことを話していると、次にレミリアと靈華、霊夢が入ってきた。

 「あら、魔理沙と妖夢はまだ来ていないのね。」

 「ああ、魔理沙と妖夢は暴れている能力者を捕らえに行ったから遅れるらしい。」

 「手伝わないでいいの?」

 「多分大丈夫じゃないかしら。だって2人ともこの一か月でかなり成長していたわ。なら心配する必要はないと思うわ。」

 「それもそうね。で、今日集めた理由は何かしら。」

 「ああ、それはな…」

俺が話し出そうとしたとき…

 「遅れました!」

 「すまん、遅れたのぜ。」

 「ああ、理由はさとりから聞いている。大丈夫だ、霊夢たちもさっき来たばかりだからな。」

 「それならよかったです。」

 「と、じゃあ話を戻すが、部員を全員集めた理由だが、今起きている能力者が暴れる事件の解決のためだ。これは異変の前兆だと思っている。だが異変解決部はまだ動いていない。」

 「異変解決部はほんとに何をやっているのかしらね。」

 「そういうな。向こうもいろいろ大変なことになっているらしい。」

 「ん?どういうこと?」

 「まず、能力育成をする施設が他にもあるのは知っているよな?」

 「ええ、知っているわ。」

 「他の施設でもここと同じようなことが起き始めているんだと。しかも戦力も足りないとのことで異変解決部はそこにいっている。そのためここは俺らお悩み解決部が守らなければいけない。多分そのために能力の使用許可を下したんだと思う。」

 「はあ、つまりはいいように使われているってことでしょう?私はそんなの嫌なんだけど?」

 「まあ、落ち着け、俺だってそれは嫌だ。だがそうも言ってられなくなってきた。昨日俺と妖夢が戦った奴はBクラスの生徒程度の力を持っていた。教員に聞いたところ、そいつは本来Dクラスの生徒だったらしい。」

 「そういえば言ってたわね。Dクラスの生徒で謹慎になった生徒が出たって。私は同クラスの生徒とはあまり関わらないから知らないけど。」

 「多分そいつだな。で、さっきも言ったがそいつはBランク程度の力は持っていたんだ。Dクラスの生徒がだ。お前らもこの意味は分かるだろう?」

 「ランク二個分も力が上がっていたってことでしょうか?」

 「ああ、普通に考えたらあり得ない。ランク二個分も力が上がる。しかも学園が始まってまだ一か月だ。どんなに才能があっても不可能だ。だが、それが現実で起きてしまった。さらにそれがありとあらゆる場所で起きているんだ。早めに解決に動かないとヤバい。」

 「そうね。それはかなりヤバいわね。でもどうやって解決するの?」

 「そこを伝えるために今日は集めた。まず、お悩み解決部の活動を一部休止すると美咲先生を通して教員全員に伝えてもらった。俺の活動報告書も一時的に待ってもらっている。」

 「よくそんなことを教員が聞いてくれたわね。」

 「今は異変解決部がいないんだ。だからその間だけでも俺たちには全力で動いてほしいのだろう。そしてここから誰が何をやるのか伝える。まず魔理沙と霊夢はいつも通り学園の見回り。範囲は広くなるしきつくなるとは思うができるか?」

 「できるわよ。その程度できなきゃ訓練してきた意味がないじゃない。」

 「私もできるのぜ。」

霊夢と魔理沙は異変解決部との決闘からかなり成長した。決闘を挑めば二人ともBには上がれるレベルだ。

 「さとりはいろんな人の心を読んで暴走しそうな生徒を事前に止めてほしいのと情報を集めてほしい。妖夢と靈華はさとりが襲われないように近くにいてほしい。」

 「わかりました。」

 「わかりました。」

 「わかったわ。」

 「で最後に俺とレミリアだが、まず俺たちの目標は異変が起きる前に解決させることだ。そのためまずは相手の拠点を見つける必要がある。まずは前回の異変の時も手伝ってもらった恋歌に頼る。それでも見つけられなかったらある生徒に心当たりがあるからそいつに頼ってみる。」

 「頼りすぎじゃない?大丈夫なの?」

 「ああ、二人とも入部届を出してきてるし仮入部はしている状態だ。」

 「え?私たち知らないんだけど。」

 「まあ、集まる機会なかったから言ってなかったからな。」

 「はあ、まあこの際それはいいわ。で誰なの?もう一人は。」

 「もう一人はEクラス、東風谷早苗だ。能力は奇跡を起こす能力。」

 「奇跡を起こす能力?」

 「ああ、レミリアの能力は限界があるが東風谷早苗の能力は1パーセントでも可能性があるならそれを引き起こせるんだよ。だが早苗自身はどのような形で奇跡が起きるかまでは決められないらしい。」

 「そういうことね。つまりはその能力で私たちが敵拠点を見つけられる奇跡を起こすわけね。」

 「そういうことだ。まあ、ここまでが一人一人の役割だ。わかったか?」

 「ええ、分かったわ。」

全員納得してくれたらしい。俺がそんなことを思ったとき、外から爆発音が聞こえてきた。

 「何が起こった!」

 「わからないです。でもかなりの爆発音です。能力が使われているのは確実です。」

 「クソ!全員行くぞ!」

 「はい!」

全員で爆発音のした方向に向かう。するとそこには大きなクレーターができており、そのクレーターの中心にはある男が立っていた。俺はその男を見たことがあった。俺が学園初日で倒した男だったのだ。そして男は俺たちに気づく。

 「お前は確かあの時の…」

 「こんなところで能力を使ってどういうつもりだ!」

 「お前らには関係ないだろ!」

 「関係ある。俺たちはお悩み解決部だからな。お前を倒して捕えなければならない。」

 「はは、捕らえるだって?できると思っているのか?俺はSランク以上の力を手に入れたんだ!お前ら程度には負けない!」

 「はあ、お前らはそこにいろ。俺がぶっ飛ばす。」

 「あ?一人で俺に勝てるとでも?死にたいのか?それとも馬鹿か?」

 「俺一人で充分だって言ってんだよ。クソ野郎。こんなクレーター作りやがって。謹慎程度じゃすまねぇぞ?退学だってあり得る。」

 「はは、本当に俺に勝てると思ってるのかよ。笑いが出るぜ。まあいい。お前を殺せば俺が最強だと証明されるだろ?だってお前とレミリアは今やこの学園最強の2人って言われてるんだからな。」

 「お前こそ本当に俺に勝てるとでも?」

 「勝てるに決まってるだろ?負ける要素がみつからないぜ?」

 「そうかい。しゃべってるのも飽きたな。やるか。」

 「そうだな。俺も飽きてきたころだ。」

 「捕らえる。」

 「殺す。」

俺たちがそう言って戦いは始まった。

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