どうしてこうなった
拙いですがどうぞよろしくお願いします。
どうしてこうなった。
私は今、天蓋付きのフカフカのベッドから目を覚ました。
私の名前は高橋 果奈。
希望してた大学に受かり自由気ままで楽しいキャンパスライフを送っていた大学一年生だった。
友達もそれなりに多く、授業はまだついていけており、うどん屋のバイトも店主のおっちゃんが作ってくれるこしのあるうどんがまかないとして出て幸せな日々を過ごしてた。
そう順風満帆だったのだ。
だが、少し、すこーしだけ不満を言うと彼氏が出来なかったのだ。
高校生まで一度も彼氏がいなく大学生になると誰にでも彼氏の一人や二人出来るもんだと思っていたが現実はそう甘くなかった。
男からモテまくるのはやはり美人でスタイルのいい女だった。
私はと言うとどこにでもいるような平凡な顔をしており、周りからよく「あれ、どこかで会ったことある?」と言われるほど親しみのあるルックスだったのだ。
そんな悩みを抱えてはいたがそれでも毎日楽しく、ある時中学から仲の良い三人で集まった際、彼氏ができないと3人で嘆きつつ笑い合っていた時だった。
誰が言い出したか覚えていないが「彼氏ができなくてもいますぐ恋愛がしたい」と言い出した。
そしたらまた誰かが「それならアプリゲームで出来るじゃん。ほら、最近CMでよくみるあれ」と言い、攻略対象者が三名のうちから選べると言うことで仲良く3人でやる事となった。
誰が先にクリアできるかと最初はふざけ合っていたがやるにつれ段々とはまりいつしか毎日の楽しみとなっていた。
シナリオがしっかりしており、たまに出てくる甘いセリフにキャーキャー叫んでいたら母親にうるさいと怒られたほどだ。
無事一人目の本編はクリアをし、二人目に入ろうと思ってた大学の帰り道。
青信号と確認して歩き出したはずだがなぜか赤信号で止まるべき車が走っていた。
私は叫ぶこともできず車と衝突し、そこから意識が飛んだ。
そしてハッと気づいて目を開けると見知らぬ天井、見知らぬ部屋、見知らぬベッドに横になっていた。
あの状態で生きていたのか?と疑問に思い体を動かしてみるがどこも痛くはない。
どういうことだと体を起き上がらしてみると部屋にいたのだろう、声をかけられた。
「お嬢様!大丈夫ですか?」
みるとメイド服を着た女性がこちらを心配そうに見ている。
「・・・うん。」
とりあえず色々と突っ込むことがあるとは思ったのだがいかんせん私も交通事故にあったばかりだと思っている、頭がうまく回転できなかった。
「心配しましたよ。授業からお戻りになられてすぐ倒れられてしまいましたから」
そう言うとメイドはコップに入った水を私に差し出す。
私も素直に受け取り水を飲む。喉が渇いていたのか冷たい水は美味しく全て飲み干した。
空になったコップをメイドが受け取り、他になにか必要なことはあるかと聞いてきたが私は特にないと首を振った。
「まだ目を覚ましたばかりですので起き上がらずにこのままお休みになっていてください。私は隣の部屋におりますから何かあればすぐにお呼びください」
テキパキとしたメイドはそう言うと隣の部屋に行ってしまった。
私はメイドの言ってことを無視しベッドから起き上がり等身大の鏡をみた。
「な、、なんじゃこれ」
そこに映っていたのは親しみやすい平凡だった顔ではなく、ルビー色をした髪をふわりとくねらせ、エメラルドの宝石を詰め込んだような目をしている美女がそこにいた。
「これ、私?え、どゆこと!めっちゃ綺麗じゃーん!!」
美女に憧れていた私は今の現実をとりあえず受け止めていろんな角度から自分の顔を見た。
どの角度から見ても美しかった私は興奮を隠せない。
「すごい、、こんな美女というか美少女見たことない、、、はずなんだけどどっかで見たことあるような、、、あ!!!!????」
大声を聞きすぐさま部屋に駆け込んだメイドに「なんでもない、ニキビが出来ちゃって」と、とっさに思いついた嘘でなんとか誤魔化した。
メイドは「そうですか、、、では美容に良いものを用意しておきます」といいまた隣の部屋に戻った。
ちなみにニキビなどない、彼女の肌はプルプルなほど綺麗だ。
改めて己の顔をじっくりと見つめ気づいたことがある。
「この顔、少し幼くて分からなかったけどシンシーリアだ。」
乙女ゲームなら必須といっても過言ではない悪役ポジション、自分がしていたゲームにもいた。
攻略者対象の一人である婚約者である侯爵令嬢 シンシーリア・レバートリー。
ヒロインを妬み過度ないじめを行い最終イベントで断罪されるのである。
ゲームをしていた際は気づかなかったが実際はこんなに美女だったのか、と感心してる場合ではない。
「私、ゲームの世界に転生しちゃったんだ……」